71 ページ22
お昼頃、両親から日付指定で荷物を知っていた私は自室で待機している。
すると、勇利の母親が私の部屋に荷物が届いていると両手で持てる大きさの段ボールを自室に運んでくれた。
「すみません！ありがとうございます！」
衣装が入っている箱にしてはやけに大きいそれを地面に置いて、雑にガムテープを剥ぐと1番上にあったのは衣装ではなかった。
勝生様と書かれた封筒と大量の大阪土産のお菓子が入っている。
封筒の中は開けないで大量の菓子折を出すと、1番下に綺麗に折り畳まれた衣装があり、それを出すと1番下には二つ折りにされた添え書きが入ってあった。
中を開けて読むと、以前三人で関西に旅行した時の写真を見たこと、菓子折は勝生家の方々とヴィクトルに渡すこと、衣装のことに関して簡潔に書かれていた。
確かに勝生家には甘えて迷惑かけてばかりだったかもしれないな。
私はヴィクトルが好みそうなお菓子をひとつ選りすぐり、残りは勝生家に渡すために、封筒とお菓子を抱えて渡しに行った。
仕事中で申し訳ないことに後々気が付いたのだが寛子さんに菓子折を渡すと、勇利がこの前買って来てくれたのにと笑いながらも受け取ってくれた。
封筒に関しては後で見るとの事で、私は再び自室に戻り急いで完成した衣装を引っ掴んでアイスキャッスルに向かった。
バン！と息を切らせてアイスキャッスルのリンクの扉を叩き開けると二人がこちらを見た。
「Aどうしたの？」
息を切らす私を見て勇利とヴィクトルは近付いて来てくれる。
私は大きく息を吸い呼吸を整えながら言う。
「衣装届いたから着てみて！」
差し出した衣装を着た勇利は少し顔が締まって見える。
「実はまだストーン貼れてないんだよね。帰って私が貼ることになるんだけど、どーしても着て欲しいくて！」
写真とりあえず撮っていい？と私はカメラを出す。
「ヴィクトルはどう思う？」
もじもじした態度の勇利に自信満々な顔をして！と勇利にポーズの指示をしながらヴィクトルに話しかける。
「最高だよ。この衣装、勇利にしか似合わない」
まだ未完成の衣装を見て唇に指を当てながら言うヴィクトルの言葉を聞いて私は妙に自信ありげに言う。
「……この衣装もっといいものになるよ」
私がそうさせてみせる。
勝生勇利にしか似合わない、勝生勇利のためだけの衣装を作ってみせる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かなぁ | 作成日時：2016年11月25日 14時
