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「じゃあ修正点したやつまた帰ってからパターン作り直して渡すから」
おじいちゃんに今日はありがとうとお礼を言うと、祖母に玄関に出てくれと言われたので三人揃ってぞろぞろと仕事場の玄関先に出る。
どうやら私の両親が今日は出先での仕事のため写真だけでも撮って欲しいとのこと。
「じゃあAは真ん中だね」
ヴィクトルにそう言われ真ん中に立つと、早々なタイミングでシャッターを押されてしまった。
変な顔になってそうだと思いつつもそれに時間をかける訳にはいかないので、そろそろ行くと言うと祖母に紙袋を渡される。
なんだなんだと紙袋の中を覗き見ると笑った。
「えー？！ これまだあったん？！」
懐かしい……
幼少の頃に両親にこんなドレスを着たいと紙に書いて渡したデザインだを忠実に再現した衣装……
今考えると幼少期の私の空想を詰め込んだフリルとリボンが盛りに盛られた、どこかの国のプリンセスがモチーフのドレスデザインをパターンに落とし込むのは至難の技だったのだろう……今ならわかる。
なんて位置にリボンが付いているんだ……
ホント、よくパターンにしてドレスにしてくれたよね……
「わー綺麗なドレスだね」
勇利は紙袋を覗き見て言う。
「うん。このドレス私が幼い頃デザインしたの」
「へーセンスあるじゃないか」
ヴィクトルも笑いの原因の紙袋を覗いて言う。
「センスあるのはパターンを作ってくれた両親とそれを縫ってくれた祖父母だよ」
照れ臭くなって紙袋を閉じて手に下げる。
「ありがとう。おばーちゃん！また遊びに来るね。」
そう言い私は玄関先にいる祖母に手を振り、ここを後にした。
「いやー、勇利がいてくれて助かったかも。一気に衣装が出来てきたと思うよ！さて、まだ時間はいっぱいあるし、どこか行きたいところある？」
「ドートンボリ！」
勇利に聞いたのにヴィクトルが嬉しそうに私の肩を抱いて地名だけを発する。
「道頓堀かー……タクシー捕まえられたら良いんだけど、ここら辺通らないからなー。とりあえず梅田に出てから地下鉄に乗り換えるか」
私達はここから1番近い最寄り駅を目指して歩き始めた。
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作者名：かなぁ | 作成日時：2016年11月25日 14時
