［HP]繊翳を捉える［セブルススネイプ］ (ページ8)

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汽車の中でページ8

FromA
ホグワーツへの汽車の中、いつもの同級生達と合流し、夏休みの事を話した
途中、車内販売で皆は好きなお菓子を買い、分け合っていたが、私は出発前に駅で買ったチョコがあるのでそれを食べていた
「それ、おいしいの？」
「うん、素朴な甘さで好きなんだ。食べる?」
「ううん、いい…動きもしないチョコって、退屈しないの？」
私からしたら『普通』チョコは動かないのだが…これが育った環境…もとい、世界の違いなのかな、としみじみしていた時、廊下をバタバタと走る音が聞こえた
「なんだろう…」
「さぁ。新入生じゃない？」
確かに見た事ない赤毛の女の子がコンパートメントを確認しながら走っていくのが見えたが、次に来た人物には見覚えがあった
「ハーマイオニー」
私の呼びかけに気付き振り向いた彼女は、目元に涙を溜めていた
「あぁ、Aちゃん…その、ごめんなさい…」
「ううん、大丈夫…それより何があったの？」
「私…その…あぁ、すごく心配で…」
彼女はいつもからは想像出来ないくらい取り乱していて、話すのは難しそうだった
そこに先ほどの赤毛の見知らぬ子が戻ってきた
「実は…ハリーポッターとロン…ウィーズリーが汽車にいないのよ」
「え…」
その2人は知っている。もとい、この学校で誰より知られているはずだ。ハーマイオニーと仲が良いし、いつも冷静な彼女がこうも取り乱すのも納得できる
その2人の名前を聞いてついに私に抱きついて泣き始めてしまった彼女を落ち着かせようと、赤毛の子と共に背中を摩った
「あの…そういえば初めまして…君は…？」
この子もハーマイオニー程ではないが、心配そうな顔をしている
「ジニー…ウィーズリー。よろしく」
「ウィーズリーって…」
「うん…兄達が、お世話になってるはず」
「そうか…入学おめでとう。初日からこんな事が起こるなんてね…」
「うん…でも私、ロンは大丈夫だと思ってるの…ハリー…ポッターとも一緒だし」
そうは言ったが、彼女もまた声が震えている
「うん、そうだよ。きっと大丈夫。」
家族をひどく心配している彼女に、それしかいえない自分が酷くもどかしかった
その後、ウィーズリー兄弟(知らなかったし驚いたが、あのヤンチャな2人の上は監督生だという)が来た
先生方にはもう報告して一緒に探してもらってるとの事だった

私が席に戻った後、数人の先生方…そして蝙蝠先生が一様に心配そうに廊下を行き来しているのを見かけた

「…なんだかんだ、心配してるじゃん」