［HP]繊翳を捉える［セブルススネイプ］ (ページ3)

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広告の人ページ3

FromA
「闇の魔術に対する防衛術」
些か仰々しいその科目名の隣に書かれているからか、その書名は殊更おかしく思えた
「グールお化けとのクールな散策」
それに実際に読んでみても、それはとても教科書とは思えない代物だった
呪文など特に書かれておらず、中身は薄っぺらく信用性に欠ける武勇伝の数々…何しろ自分の経験談を「クールな」と言っている時点で既にナルシストの香りがする
私と言う子供でも何かおかしいと思うこんな書物がホグワーツの教科書だなんてどうかしていると思う
実際おじさんは帰ってからも納得がいかなかったのか、ホグワーツに「これは新手の促販詐欺ではないか」と言う梟便を送っていた

まぁしかしこれがもし学校側の誰かの(恐らくフィルチさんあたりによる)ミスであったらその人が可哀想だとも思ったのであまり詮索はしなかったし、もしそうなら払い戻しや返品くらいできるだろうと軽く考え、私はそれをそっと書棚にしまった

次の日、緊急だと言って出かけた仕事から帰ってきたおじさんは珍しく何かにご立腹だった
私達のいる食卓では怒るのを我慢しているようだったが、それはひしひしと伝わってきた
食事が終わると私とお姉さんはそそくさと二階の部屋に戻り、一緒に静かに聞き耳を立てていた
一階からは「教育課は何を考えているんだ」だの「ダンブルドアに限ってそんなこと」などという議論の声が聞こえてきた
「ホグワーツで何かあったのかしら…」お姉さんは心配そうな顔をした
卒業生だし、何かあったら悲しいよね、と言うと、彼女は苦笑いをして私に諭した
「それもあるけど、何より貴女が安全に通えるのかが心配なのよ」
想像以上に優しいその返答に最初は少し驚いたが、確かになと思った
魔法界の大半の人は知らないのかもしれないが、私が考えるに、昨年度ハリーたちにあの傷を負わせたのは恐らく去年の防衛術教授なのだから
そう思うと、ホグワーツも思ったより安全じゃないのかもしれない
「お姉ちゃんの頃は何か事件あったの？」
「うーん、そんなに危ないのはなかったかなぁ…暴れ柳に喧嘩を売った男子が手足を折ったことくらいかしら」
去年のハリーたちの話を聞いていたせいか、一瞬「それっくらいか」と言いかけたが、そもそも子供に危害を与えそうな凶暴な木(この時点でマグルには伝わらないだろう…)が学校に植っている時点で普通じゃない
「やっぱりホグワーツって…」「まぁ、普通じゃないわよね」
そう言って2人で苦笑いをした