モブなんてこんなもの ページ32
FromA
今回の日記の題名がやけに捻くれていることは、お許しいただきたい
自戒でもあるが、要はこの日記では一人称視点で話し、主人公ヅラを(あまりしているとは信じたくないが)している私も、この学校、強いては魔法界ではただの1人のホグワーツ生という肩書一つで足りる、ごく普通の人間である
つまり、この魔法界が一つの物語であるとすれば、生徒Fとでもいう名前のモブである
そしてもちろんその主役はハリーポッター、彼であり、彼の友のロンであり、ハーマイオニーである。
なんで急にこんな話をしたかというと、彼らの力量(バイタリティとでもいうのだろうか)の違いに驚いたからだ。
私は色々な先生方に別に自分としては悪くないと思っている体調を心配されながらも、なんとか全教科、三日間にわたる学年末テストを受け終わった
もちろん、これは私にしては上々の出来だ。未だ知れない成績は兎も角、受け切ることはできたのだから
しかし時を同じくしてその数倍のことをやり切った人こそ、前述の3人である
これについては言わずもがなではあるが、あの3人はテストが終わった次の日という、一年生全員が疲れ切り、怠けきっているうちに、ホグワーツ教師人による賢者の石への挑戦を潜り抜け、何者からかその石を守り抜いたというもっぱらの噂である
今は6月7日、その試練から3日が経とうとしていたが、その主人公が未だに医務室の1番奥のベットで寝ている(また他の噂によればお菓子の山を食べ尽くしている)とのことなので、正式な発表は未だなされていない
「まだそのタイプライターはあなたを縛り付けているの?せっかくの休日に昼食を逃す気?」
テストが終わったのに来週からまた授業と宿題があることに不機嫌になっているルームメートに呼ばれ、大広間に向かう
大広間に行くとそこ、特にグリフィンドールの机の周りがとても騒がしかった
その人の輪の中心には、話し声から察するに医務室帰りのハリーがいるらしい
そして私は先輩たちにもみくしゃにされるハリー、そしてハーマイオニーとロンを想像して、心の中で(特に喧騒を嫌うハーマイオニーに対して)エールを送っていた
そしてもう一つ、いつもと違うことに気づいた
それは、グリフィンドールの大軍団の「ハリー讃歌」とでもいうべき合唱を不機嫌そうにみているスリザリン寮監の隣が空席であることだった
「おかしいな、昨日まではやけに顰めっ面で座ってたのに…」
その私の呟きも赤い合唱の声にかき消された
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エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nagisa | 作成日時:2022年3月13日 8時