フクロウとチョコレート ページ21
FromA
『私が彼女を殺した…』
私が自分の立場について理解した後も、先生のその苦しそうな声は時々頭の中に響いた
言い方から、恐らく殺したく無かった彼女の死の責任は自分にあると言う自責の念が読み取れた
「そんなに思い詰める原因を作る人には見えないけどなぁ」
「何が?」
「ううん。まぁ触らぬ神に祟りなしってやつだよね」
そうだ。いくら距離の近い先生と言えど、あまり干渉するのは良くないし、何より先生の感情を読めたのはあれ一回きりだったので、もしかしたら単なる悪夢か何かだったと言う可能性もある
「…貴女、態と日本語と英語を使い分けてるの?」
「ごめん。こっちだとどう言うのか分からなくて」
私は最近、談話室、特に湖の側にある机で勉強がするのが好きだった
ここからの風景はとても美しくて、各教科の課題の量やここの寒さ、冬の日の短さにうんざりする心を慰めてくれた
監督生曰く、この風景は西棟に寮のあるレイブンクローの特権だと言う
14日の金曜日の朝も勉強をしようと談話室に降りると同級生の男子数名に声をかけられた
「え、いつもより早いね…みんなも勉強?」
「いや君がいつもここにいるって聞いたから来たんだけど…他の奴らも一緒でさ…」
「私に用があるって事?みんな?」
私は3人の顔を見たが、特に彼らとの間で何か問題がある自覚はなかった
「えぇっと…何かしちゃったかな?」
「そうじゃなくて…これ、受け取ってもらえる?」
1番右の子が差し出したのは薔薇と手紙だった
「え、これ何…?」
呆然とする私に、他の2人も同じく手紙と薔薇の花を押しつけて寝室に帰って行った
「えぇ…」
「なんだ皇、随分モテてるな」
そこにはいつからいたのか、監督生が立っていた
何故か不機嫌な顔で男子の寝室への階段を見つめている
「これって何ですか?ドッキリ?」
「まさか、今日はバレンタインデーだぜ?」
「え、あれって日本だけじゃ…」
「日本にもあるのか?何でもいいが、俺のプレゼントは1年坊達のとは一味違う。何せホグズミードで買い物ができるからな」
そう言って渡されたのは手紙を添えたハニーデュークスのチョコレートボックスだった
「え、あ、ありがとうございます」
「はいよ。返事は意味が解ってからでいいからさ」
私がプレゼントを寝室に持って帰ると、ルームメイトは皆盛り上がり始めた
「うわぁ、貴女モテモテね!…やっぱり！このカードをくれた子達、貴女が授業で助けた子たちばかりよ!忘れたの⁈」
「うん…全く覚えてないや…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (
レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nagisa | 作成日時：2022年3月13日 8時
