整理整頓 ページ19
FromA
「Ms.Sumaragi!貴女があんなミスをするなんて…何かあったんですか?」
ガラス玉をゴブレットにする術で只のガラスコップを作り上げてしまった授業の後にマクゴナガル先生に呼び止められるくらい私は木曜日と金曜日の授業に集中できなかった
「いぇ、大丈夫です…今度はもっと集中します」
「そうですか…何か問題があったら寮監を始めとした先生方にきちんと相談するのですよ。手助けできるかもしれません」
「ありがとうございます」
マクゴナガル先生は厳格で優しく、私が尊敬する教授の1人だ
彼女に心配される様ではダメだと気を持ち直して午後の薬学に向かう途中で背筋を伸ばした
今日の薬学は初めから調合だった
前回先生が説明した教科書の頁を開き、手順を確認する
『➌より先に➍の準備をした方がいい』
そう私が教科書にメモをした時、私の横に真っ黒い人がやってきた
目の下の隈も無くなりいつも通りの様子だったので、私は安心して材料の準備に取りかかった
この前私に助言をしたのはやはり体調不良から来る気の迷いだったらしく、今回はいつも通り学生のミスを目敏く見つける先生に戻っていた
私は材料を使う順に、一緒に化合する物は纏めて机の上に並べ、大鍋の準備を始めた
机の上をこの様に整理するのは、目を見張るほど手際良く調合する先生を見倣った物だが、授業では説明されなかったので生徒によって机の上の乱れ具合は様々だった
向かい机の男の子はいつも机の上が乱雑なせいか、ミスを連発して減点をくらう常習犯だった
マクゴナガル先生のお陰か、その日はミスする事は無く、5点の加点まで貰えた
「お前の調合は理路整然としていていいと思う」
そう先生が急に口にしたのは、日曜の午前に一緒に校庭に出ている時だった
私は呪文集こそ持ってきてはいないが、掘削呪文の練習でそこら辺の地面を穴ぼこだらけにしていた
「…ありがとうございます…?」
「私のやり方を参考にしすぎだとは思うが」
先生は分厚い本を読みながら話を続けた
「初心者が優れた先人を参考にするのは当たり前だと思いますが…」
「それをあの整理のせの字も知らない同級生達にも教えてやって欲しいですな」
「教えるなと言っているのは貴方でしょう…」
先生はまた口を噤んだが、暫くしてまた急に話し出した
「…能力の事は、まだそんなに気にしなくてもいい」
「…つまり、いつかは意識しないといけなくなると言う事ですね」
「…そうだとしても少なくとも今は、学生生活を頑張ればいい」
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エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (
レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nagisa | 作成日時：2022年3月13日 8時
