疑問 ページ11
なんで便所に流すんだ、と目を丸くする轟。
なんで結婚式のムービーで流すなんて発想が出てくるんだ、とこっちが逆に訊きたかった。
「てか私、求婚してないって言ったよね？」
「おう。言ってたな」
「じゃあなんで結婚する流れになってるの」
「さっき俺からプロポーズしただろ？」
忘れちまったのか？みたいな顔をされる。
そのプロポーズを断られるという発想がないあたり、やはりイケメンは凡人とは違う。
「いや、でも私は轟とは結婚しないから」
「なんで俺とは結婚しねえんだ？」
「それは」
答えようとして、困った。
なんで私は轟と結婚しないのか、って。
だって轟は成績優秀、運動神経抜群、顔面偏差値79(当社比)の超優良物件だ。
そんな彼のプロポーズを受けない理由ってなんだろう。
その問いに対する答えが出てこなくて、私は何かを言おうとしたまま固まってしまった。
でも、それならこっちだって訊きたい。
なんであなたは私にプロポーズしたの
轟を見上げたら目が合った。
湖みたいに静かで綺麗な瞳だった。
「今はまだいい」
「と、轟、」
「いつか返事、聞かせてくれ」
最後までろくに話を聞かずに、轟は私に背を向けてさっさと歩いて行ってしまう。
直後に鳴ったチャイムはずいぶん遠く聞こえた。
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なぎさ(プロフ) - てのーるさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！本作をお読みくださりありがとうございました！ (2018年10月21日 11時) (
レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
てのーる - 全体がとても良くまとまったストーリー構成で、見ていて気持ちのいい物語でした！ これからもご自愛の上、執筆活動を頑張ってください^^ (2018年10月21日 2時) (レス) id: e945a347a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぎさ | 作成日時：2018年8月17日 0時
