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藍葉
氷華を見送ったあとで私はそのカラ松とやらに指定された橋までやってきた。
「あいつだ。あの革ジャンのやつ。グラサンのやつな。」
明らかに怪しすぎるだろあれ、とツッコミたくなるほどイタイやつが目に入った。あれか。
「サンキュ。あとは私がなんとかするから、2人は戻っていいよ。」
それを皮切りに2人は戻って行った。それを見計らって私は軽くジャンプし、準備体操をした。
(ああいう奴に限ってビビりだったりすんだよな。)フワッ
軽く走った後にカラ松の後ろに着地するように飛んだ。
着地した後に彼の方へ振り向くと、彼は気づいておらず、相変わらずキョロキョロしていた。
(おし、やったるわい。)
タッタッタッと走って彼との距離を思いっきり縮めて、目元を隠した。
「うおっ!?」
「だーれだ!」
あたふたするカラ松を落ち着かせるのものすごい大変なんだけど待ってこれ外れるパターンっ!
「アンタが?」
「そ!ご指名に預かりました、天宮藍葉っす。よろしくねカラ松っちゃん!」
にこりと微笑む私に彼はフッと笑った。
これが、六つ子のうちの一人、カラ松に出会った時である。
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