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依頼 ページ22
氷華
そんな、最悪の日から二日経ったある日。私は早めに仕事を切り上げて、自分の家で残りの仕事をしようと家路を急いでいた。
(……早くしないと、期日に間に合わないっ……！)
足音がだんだんと早くなり、風を切って歩いていた。そんな時、
｢あの……｣
1人のおばあさんに声を掛けられた。眼鏡をかけたいわゆるおばあさんのような女性。
｢……何でしょうか、｣
｢水無月氷華さんですよね？｣
その言葉にぴくりと反応した。なぜ、面識のないおばあさんに私の名前が……？
｢そうですけど、何ですか？｣
｢……私、六つ子の母の松野松代と申します。｣
六つ子、と聞いてハッとした。あの日の時の六つ子のお母様だったとは。いやそんな事より、
｢……なぜ、六つ子のお母様が私の名を？｣
｢うちのニート達が急に働いて、うわ言のように【氷華ちゃん、藍葉ちゃん】って言ってたので……(笑)
そうそう、その藍葉ちゃんって人は？一緒じゃないんですか？｣
｢あぁ、藍葉なら今日は残業です。｣
明日の会議で必要な書類を終わらす為に、藍葉はまだ会社だ。
｢そうですか……ならせめて氷華さんにでも伝えたい事があるので、ぜひ家に来て下さる？｣
……仕事、あるんだけどな。でもそんな真面目な顔されたら断りにくい。
｢……分かりました。ですが、仕事用の書類持って行っていいですか？終わらなくって。｣
｢構わないわ。ささ、こっちです。｣
お母様……松代さんに連れてかれ、六つ子の家へまた来ることになった。
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