ー恋想歌・参ー ページ34
何が起きたのか、全く分からぬままされるがままになってしまった私。
ふと視界が明るくなり思わず目を閉じてしまう。だけど手で目を覆うことも出来なかった。
「っ、神乃さん!!」
『……え、楓さん……?』
何故か目の前には雨宮楓が同じ様に縄で縛られ動けない状態で私と話していた。そしてその隣に居たのは、
「目が覚めた?私はアンタの事をどうやって痛ぶって楽しもうかしか最近じゃ考えてないんだからね。
それもこれも全部貴女の声のせいよ。」
私の声に、私そのものに嫉妬し、嫌っているあの子。その子はニヤリと笑みを浮かべ、私の方へ一歩一歩足を進めて。
「これ、何か分かる?」
そう言い取り出したのはカプセルのような何か。
「これは一時的にでも貴女のその【力】を抑え、声が出なくなる薬よ。
そうなった時の貴女はどうなるんでしょうね……声が出ない貴女なんて、唯の人形に早変わりよ。
嗚呼でもその隣の女が騒ぎそう……」
隣の女、それは楓さんの事だ。彼女は思いっきりその子を睨んで。
「彼女の事をこれ以上痛め付けないで……!
彼女は成りたくて成った訳じゃ……!!」
「うるさいっ!!!!!」
そういうが早いか私の口にその薬が入ってきた。
『……んぐっ!!!』
「嗚呼それね、睡眠効果もあるみたいだから、目が覚め……ら…………ね?」
それ以上の会話を覚えていない。
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