ー恋想歌・弐ー ページ33
人を好きになっている時、その人が他の人に夢中になると嫉妬に苛まれる。それがもっと深くなると、狂気に変わる。
自分さえ居なければいいと呟いたあの子は翌日から陰湿なイジメを始めた。
物を盗む、殴るなど。在り来りなものから悪い噂を流して自分はいい子アピールをしていたり。
だけど、それでも告白の嵐は止まらずに。断れば断るほどイジメはエスカレートしていった。
ある日の昼下がり、私は1人で昼食を取っていた。元々1人だった訳では無いのだが、その子のせいで皆私から離れてしまったのだ。
そんな時、一人の女の子が私に話しかけた。
「あ、あの……椿神乃さんですよね?」
『は、はい。そうですけど。貴女は?』
「雨宮楓と言います」
1つ上の先輩で、控えめな楓さん。その日から私の昼食時間が楽しいものへと変わった。
だけど、学校はその変化を許すことは無くて。楓さんに危害を与えられたくなければ言うことを聞け、そんな命令にまで成り下がった。
それでも楓さんは私に接してくれた。私は彼女のその優しさにいつも励まされて。
だけどそんな時間に終わりが告げられる。
その日、いつも通りに生活をしていた私に、あの子……イジメを始めた子が、突然私の頭に頭巾のようなものを被せた。
『っ!?っっ!!』
「馬鹿な女。私の手下も好きな子もクラスも学年も学校全体もアンタの歌にご執心になったわ。
……アンタの声聞いてると好きな子も狂わされてるんだと思ってくるのよね。だから……」
アンタの声
無くしてあげる
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