歌が、二十六曲 ページ29
土方
【私は心配で心配で……!!“あの時”の二の舞になるんじゃないかって…………!!!】
あの時の、二の舞。椿のマネージャーはそう言った。しかもとんでもない形相で。
(あの時って事は、前にも似たことがあったのか……)
それに椿が俺の事をそんな人じゃないと言った。つー事は、俺のような誰かに何かされたって事だ。
(……まァ、アイドル云々以前に一般市民だ。それに変わりない。
それだけだろうが阿呆。)
何を悩む事があるんだ。それに……
(椿の笑顔……
だが、マネージャーの言葉にも引っかかるものがある。
(あんなに必死になる必要あったか?それも、とんでもない形相で泣きそうになりながら)
考えられるのは、昔に何かあったという事とかなのだろうが、俺には関係ない。……関係ない。
(関係ないんだよ。たかだかアイツに似てるくらいで……馬鹿馬鹿しい)
どこか、心のどこかで心配してる自分がいた気がする。でも、その俺よりも……関係ないと豪語する俺が強かった。
(ほとぼりが収まったら、護衛でもなんでも会えるだろう。)
そんな軽い気持ちでいた俺が馬鹿らしいと思い後悔する事になると思わなかった。
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