歌が、十七曲 ページ19
土方
お待たせしました!と、橙色の髪を揺らして、こちらに走る椿。
なぜか、最初はアイドルだから関係ないとフルネームで呼んでいたけれど、少しだけ、ほんの少しだけ、気が緩んで苗字呼びをしている。
『えっと、病院ですよね?財布とかあるから…大丈夫です』
「それもあるが、それ以前にお前は被害者だ。病院で治療受け終わったら真選組屯所で取り調べを行う」
それに少しハッとしたが、すぐ元に戻り、コクリと頷いた。さァ行こうと腰を上げ、表でようとした時に、聞きたくない声がした。
「なに、取り調べすんの?つか、病院行ってからってだいぶキツくね?そーんなカロリー消費しちゃダメでしょ。ゆっくりのんびり行こうぜ。多串君」
「誰が多串君だ、万事屋。仕方ねェだろ。それが仕事なんだから」
「へー?巷で大人気のアイドルを酷使させてまで仕事するんだー?」
もはや、こうなったら口喧嘩の始まりになった。神乃は俺が連れてくだの、身柄の安全確認したのは俺だの、どうでもいいことで喧嘩した。
『ぎ、銀さん!!』ワシャワシャッ
「ふぇ!?」
続きそうになった喧嘩を椿が万事屋の髪を全力でワシャワシャッして止めた。
『わ、私のことを考えてくれるのは、嬉しいけど、別に病院行って取り調べ受けるだけだから、ね?』ニコッ
「すみませんでしたよろしくお願いします多串君」←
「多串君じゃねェ」
ダメだ、これ以上居るとなんか伝染りそう。俺は椿を急かし、万事屋を後にした。
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土方
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