歌が、十二曲 ページ14
神乃
「!?
オイ、大丈夫か!?」
目が覚めた時、私はいつの間にか助けられていた。だけど、何故か彼…土方さんは焦っていた。
『え、私何かしまし…』
「突然叫んだろ今!『ごめんなさい!!もうやめて!!』って」
その言葉で、私が何を見ていたか、うっすらとだが思い出した。
来ないでよ!!
痛い。
なんで、分からないの!?
私はただ、普通に過ごしているだけなのに。
アンタが居るから!!
なんで、私が何かしたの…?
皆、口を揃えてこう言うんだ。
【お前がいるせいで、この村の住人は狂ったんだ】と。
『っ、すいません…
あまり、覚えてないのですけど、多分、【悪夢】を見たんじゃないかって…』
「悪夢?」
そう、これは悪夢。私にとっての悪夢とは、そういうことを言うのだろう。
『い、いえ、あの…気にしないで…』
「俺ァ別に万事屋じゃねェから、何があったかなんて知らねェし、どうでもいいと思ってる。」
え、と目を見開いた。
「だが、その万事屋が今のお前の面見たら悲しむと思うぜ。少なくとも俺はそう思う。」
顔…車のミラーに映った自分の顔は、泣き過ぎたのか、目が腫れていた。
『っ、らしくない、ですよね。』ゴシゴシッ
目を擦り、ニコッと笑った。
彼には、関係ない。私の、過去なんて。
私の醜いこの過去なんて。
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