雨の止ませ方【hr】 (ページ2)

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あめページ2

「あ、小牧さんだ」

太陽はそう言って笑う。

「なんで泣いてんのー？」

デリカシーがないというか、なんというか。

変に心配されるのも好ましくはないけれど。

涙の理由を聞かれるのなんて、初めてだったから。

返す言葉も見つからず、ただ呆然と彼の顔を見つめた。

必然的に目が合う。

澄んだ綺麗な瞳は、くぐもった私のとは対照的で。

眩しすぎて、直視できない。

「………」

「………」

しばらく沈黙が続いた後。

「ひゃっ！」

笑えー、とふわっとした笑顔で太陽が笑い。

「い、ひゃい」

私の頬を上に引っ張った。

いつもふわふわしてて、ほんわかとした空気を纏っている彼は、どこかつかめない。

その突飛な行動には、驚かされるばかりだ。

驚きからか、気付けば涙は止まっていた。

「おっ、泣き止んだ」

嬉しそうな彼は、やっぱり優しすぎる。

地味で冴えない私になんか、関わる必要ないのに。

関わったって良いことなんて何一つないのに。

「……なんで、ですか」

「んー？」

「なんで、私なんか…」

心のどこかで期待してしまっている自分がいた。

この人なら、自分に居場所を与えてくれるんじゃないかって。

優しい言葉をかけてくれるんじゃないかって。

分かってはいるんだ。

これは甘えだって。

私は、彼に自分が存在していい人間だって言ってほしいだけで。

でもそうしないと、消えてなくなってしまいそうで。

ほら、やっぱり。

どうしたって弱いままだ。