渚のエトランゼ (ページ39)

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黒田「ねえねえ、Aちゃん！」

「わっ、ビックリした！」

リビングでスマホをいじりながら過ごしていると、急に背中に重みが加わってきた

振り返るとそこにはキラキラした笑顔を浮かべる黒田くんがいて、何か良いことでもあったのかな？

黒田「今度夏祭りがあるんだけど一緒にどう？」

「夏祭り？」

黒田「そう！毎年皆で行ってるんだけど、今年はAちゃんも一緒に行かない？」

「えっ、いいの？行きたい！」

黒田「じゃあ皆に伝えとくね！」

嬉しそうに、ルンルンと気分が良いのが目に見えてわかる黒田くんにクスッと笑いながら夏祭りのことを考える

夏祭りか～…小さい頃に行ったのが最後かも。成長すると、誰かと約束でもしない限り行かないから…

ちょっと楽しみになってきたな、と思っていたら、ソファの隣がぐっと沈む

「ふかだ、くん…」

『夏祭り行くんだ。楽しみだね』

「あ、うん。そうだね…凄く楽しみ！」

あの意味深な発言を聞いてから、ずっとモヤモヤが残ったまま

期待しても良いのか、ダメなのか…それすらもわからない

ずっとドキドキして落ち着けなくて、部屋に戻ろう…！と立ち上がろうとした瞬間、彼が私の腕を掴む

『教えてあげよっか？………Aちゃんが気になってること』

「え…？」

『本当はAちゃんから言ってくれるの待ってたけど、まあ良いや……………好きだよ』

突然伝えられた答えに、鼓動が大きく波打って胸が苦しい

深田くんの表情はただただ柔らかくて…でも真っ直ぐで。

腕を掴んでいた深田くんの手がスーッと滑り、私の手をぎゅっと握った

俺と付き合ってくれる？と微笑む彼に、何度もコクコクと頷くのが私の精一杯だった