渚のエトランゼ (ページ22)

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「そんなに出てたかな…」

帰ってからも、嶺亜くんの言葉に頭を抱える

そんなに好き好きオーラを出してるつもりはなかった

一目惚れだったし、なんか顔が目当て…みたいに思われるのが嫌だったから。

『あれ、Aちゃんやん』

「あっ、ふ、深田くん…！」

『え、そんな驚く？(笑)』

誰もいないリビングでボーッと考えていると、私の名前を呼ぶ声に胸がドキッと高鳴る

振り向けば、お風呂上がりでタオルを肩にかけながら濡れた髪の水分を取る深田くんがいて、上手く返事が出来ない

今の今まで思い浮かべていた人物が現れるのは心臓に悪い

「や、えっと…」

『そういえばAちゃん、今日嶺亜くんと出掛けたんだっけ？何してきたの？』

「あー…ご飯も連れていってもらったし、水着買ってもらって」

『マジ？えー！どんなのどんなの！』

「そんな興味ある？(笑)」

『Aちゃん可愛いからなんでも似合いそう』

「へ…っ」

優しくそう言う深田くんに、自然と心拍数が上がっていく

だってそんなさらっと可愛いって言われると思わなかったから…

…いや、照れてる場合じゃない。せっかく嶺亜くんが背中押してくれたんだからこのチャンスは逃したくない

「あ、の…深田くん…」

『ん？』

「海、一緒に行かない？………その、湧くんとかうっちーとか皆で！」

『あぁ、皆で‎…』

「え？」

『…うん、良いよ。皆で行こ！俺から誘っとくわ』

ボソッと何かを呟いた気がしたけど、すぐに笑顔になって了承してくれた

…深田くんと海に行ける、そう考えただけで頬が緩みそうだ