６７話『伝えたい事がある』 ページ17
A・・・・お前はとっくに選択をしていた。
それは・・・わかっていたはずだ。
お前が俺にくれた、嘘も偽りもねぇ愛の言葉。
笑顔・・・
涙・・・・
だが俺は、『お前の幸せを願う』と偽善事を並べ立てて己の気持ちを押し殺し、掴んでいたお前の手を離そうとしていた。
お前の覚悟を受け止める事を恐れて。
「私はさ、リヴァイ。アンタが自分の幸せを選んでもいいんじゃないかって、そう思うよ。覚悟だの、何だのって、難しい話じゃない。愛する気持ちなんて理屈じゃないだろ？素直になりなよ、リヴァイ！！」
ハンジは立ち上がり、俺の背中をバンッ！と叩く。
コイツにさとされたようで胸クソ悪ぃが、何か・・・吹っ切れたような気がして身体が軽くなったのは確かだ。
素直に・・・か。
・・・俺の欲を歪めず、お前にぶつけても・・・いいんだな？Aよ・・・・。
「・・・おい。俺は今から・・」
「わかってるって！行くんだろ？Aのところに！！」
「・・・・あぁ」
さっきまでのクソ真面目な顔はどうした。
ニヤけてるのが隠しきれてねぇんだが・・・。
「こっちは上手くやっておくからさ！ほら、早く行っておいでよ！」
「・・・・頼む」
身支度もそこそこに兵士長室を後にする。
A・・・・
ずいぶんと待たせちまったな・・・。
許してくれ。
今すぐ、お前に伝えたい事がある。
だから・・・
もう少しだけ、待っていてくれ・・・・
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
客足も遠のく時間帯。
あなたとの思い出に浸っていた夕暮れ時。
ふと気がつくと辺りは闇に包まれていた。
カウンターの上には、すっかり冷めたカモミールティー。
重い息をひとつつく。
考えないようにしても無駄・・・・
今日もリヴァイに会うことはなく、一日が過ぎていってしまった。
わざと耳に入れないようにしていたけれど、調査兵団が近々壁外に出るという話を聞いてから数日経った。
明日かもしれない。
明後日かもしれない。
見送りには行っていいのだろうか。
顔も見れないまま、あなたが遠く危険な壁外へ行くなんて辛すぎるから。
でも、遠くから見ているだけにしよう。
あなたの兵士長という立場を尊重したいから。
「お店・・・閉めなきゃ」
ひとり呟き、ゆっくりと立ち上がると、チリン・・とドアベルが鳴り扉が開いた。
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ああ - ドキドキがとまりませんでした〜 (9月16日 22時) (
レス) @page28 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
じっくりコトコト - 兵長と一般人の恋愛は一味違っていて、とてもドキドキしました！一般人に見せる兵長の優しい顔、すてきだろうなぁと想像しながら読み進めました！ (2021年1月13日 16時) (レス) id: 693713d422 (このIDを非表示/違反報告)
りぃまーる - 泣いてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月21日 14時) (レス) id: a3334f2d39 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - サロメさん» サロメさん、コメントありがとうございます！初めて書いたもので恥ずかしいのですが、温かい言葉を頂き、とっても嬉しいです(；▽；) (2017年10月1日 1時) (レス) id: de23ec7cfd (このIDを非表示/違反報告)
サロメ - コメント失礼します！とても優しい話で、久々に読みきった時の喜びと悲しさが大きかったです。素敵な話をありがとうございます。 (2017年10月1日 0時) (レス) id: 657e6fdf88 (このIDを非表示/違反報告)
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