６４話『離れていた分も』 ページ14
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出会った時は、ふたりの間にあった見えない壁。
今はこうして向かい合って食事をしていても、その壁はなくて・・・
嬉しさからつい、彼に触れたくなってしまう。
人目のあまり気にならない席だったのもあり、テーブルに置かれたリヴァイの手に触れた。
少し躊躇してしまうけど、やっぱり我慢できなくて・・・。
さっき兵士長室で、壁外に行く話を聞いてから、なおさら彼を求める気持ちが膨らんでいく。
信じて待つ覚悟はできている。
だけど・・・
どうしても頭をよぎる、リヴァイと会えなくなる寂しさ・・・
苦しさ・・・。
それを口に出してしまうと、きっとあなたの重荷になる。
私はそっとその想いを心にしまい、今のあなたを見つめる。
私が触れたあなたの手・・・
優しく指で撫でてくれたリヴァイ・・・・
A・・・と、甘く名前を囁かれ、身も心も溶けてしまいそう。
店主さんに迷惑かけちゃったけど、私にとって幸せな、ふたりの時間を過ごすことができた。
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食事を終え、お店で少しゆっくりした後、私の家へと向かった。
先に二階へ上がってもらい、私はお茶の用意をしてからと伝えた。
今日、兵士長室であんな風にキスされたからか、身体の火照りがおさまらない。
どうしよう・・・。
そんな気持ちで、いつものホットはやめて、ミントでアイスハーブティーを作る。
すっきりするかも・・・。
リヴァイが待つ部屋へと続く階段を上りながら、ドキドキうるさい鼓動を鎮めようと頑張ったけど、意識すればするほど逆効果で・・・。
「リヴァイ・・・」
彼の名を呼びながら部屋に入った。
彼はベッドに座っていて・・・・
私に手を差し伸べる。
「・・・ここに、来い。A」
「うん・・・・」
持っていたトレイをサイドテーブルに置き、彼の手を取る。
「あ・・・！」
彼は私を強く抱き寄せると、ベッドに私の身体を沈ませる。
「・・リヴァイ」
愛するひとの名を呼ぶ私の唇に、彼の吐息を感じた瞬間。
「・・・A・・こんな風に求められるのは嫌か・・・？」
少し困ったような声で、私に問いかけるあなた。
答えの代わりに、私は微笑みながら彼に口づける。
「私も・・・リヴァイを求めてるよ・・」
「A・・・」
「ずっと、リヴァイに愛して欲しかった・・・！離れていた分も・・いっぱい」
「ああ・・・。A・・・・俺もだ」
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ああ - ドキドキがとまりませんでした〜 (9月16日 22時) (
レス) @page28 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
じっくりコトコト - 兵長と一般人の恋愛は一味違っていて、とてもドキドキしました！一般人に見せる兵長の優しい顔、すてきだろうなぁと想像しながら読み進めました！ (2021年1月13日 16時) (レス) id: 693713d422 (このIDを非表示/違反報告)
りぃまーる - 泣いてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月21日 14時) (レス) id: a3334f2d39 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - サロメさん» サロメさん、コメントありがとうございます！初めて書いたもので恥ずかしいのですが、温かい言葉を頂き、とっても嬉しいです(；▽；) (2017年10月1日 1時) (レス) id: de23ec7cfd (このIDを非表示/違反報告)
サロメ - コメント失礼します！とても優しい話で、久々に読みきった時の喜びと悲しさが大きかったです。素敵な話をありがとうございます。 (2017年10月1日 0時) (レス) id: 657e6fdf88 (このIDを非表示/違反報告)
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