６３話『今日はお前を・・・』 ページ13
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「リヴァイ兵士長、いらっしゃい！今日は何にしましょう？」
「そうだな・・・」
店主の勧めも聞き、注文をすます。
馴染みの男店主は、Aを連れている事に一瞬驚きを見せたが、すぐに注文を受け仕事に戻る。
こういうところも、この店を選んだ理由だ。
水を一口飲み、店内を見回しているAに問いかける。
「街にはよく来るのか？」
「ううん。お店もあるし、休みの日も来てないなぁ・・・。久しぶりに来たのがリヴァイと
一緒にだなんて、すごく嬉しい！」
「・・・そうか。誘ってよかった」
Aが見せる笑顔は、裏表が無く純粋だった。
俺だけに向けて欲しいと、そんな利己的な欲求が頭をもたげる。
「リヴァイはよく来るの？」
「・・いや、たまに酒を飲みに来たり・・・普段は兵団の備品を買うくらいでしか街に出ねぇが、
お前となら・・・悪くない」
「嬉しい・・・」
テーブルの上に置いていた俺の手に、そっと触れるAの指先。
ピクリ・・と動いた俺の手に、一瞬離れたその手は、少し躊躇いながらもまた温もりを求めて
そっと重ねられる。
俺が親指でお前の指を撫でると、ホッと安心したように強く握ってきた。
ふと顔を上げると、熱っぽい視線で俺を見つめるA。
その潤んだ瞳は、俺の理性をいとも簡単に崩すことを、お前は知らない。
「・・・A」
愛する女の名を呟いた時、店主が気まずそうに料理を運んできた。
「・・・・お待ちどおさまです」
顔を赤く染め、慌てて手を引っ込めるA。
心の中で舌打ちしたが、店主が「冷めるといけないと思ったんで・・」と、ひっそり俺に
耳打ちしてきたので、その気持ちはどこかに吹き飛んでしまった。
気を遣わせたか・・・・。
「りっ、リヴァイ・・！美味しそうだねっ・・・！」
Aにも気を遣わせたか。
「・・・A、邪魔されたな」
「えっ！？あっ、そ・・・そんな・・」
困るお前も可愛くて、困るんだが・・・。
「・・・後で、お前の家に行ってもいいか？」
「うん！もちろん！・・・ちゃんと掃除、してきたから！」
「・・・そうか」
俺の真意を知ってか知らずか、快く承諾するお前。
A・・・・今日はお前を抱かずには、帰れねぇ・・・。
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６４話『離れていた分も』→←６２話『・・飯でも食いに行くか？』
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ああ - ドキドキがとまりませんでした〜 (9月16日 22時) (
レス) @page28 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
じっくりコトコト - 兵長と一般人の恋愛は一味違っていて、とてもドキドキしました！一般人に見せる兵長の優しい顔、すてきだろうなぁと想像しながら読み進めました！ (2021年1月13日 16時) (レス) id: 693713d422 (このIDを非表示/違反報告)
りぃまーる - 泣いてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月21日 14時) (レス) id: a3334f2d39 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - サロメさん» サロメさん、コメントありがとうございます！初めて書いたもので恥ずかしいのですが、温かい言葉を頂き、とっても嬉しいです(；▽；) (2017年10月1日 1時) (レス) id: de23ec7cfd (このIDを非表示/違反報告)
サロメ - コメント失礼します！とても優しい話で、久々に読みきった時の喜びと悲しさが大きかったです。素敵な話をありがとうございます。 (2017年10月1日 0時) (レス) id: 657e6fdf88 (このIDを非表示/違反報告)
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