51話『お前にせがまれるのも悪くねぇ・・』 ページ1
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時刻は午前零時をまわっていた。
彼は朝には本部に戻らなくてはいけない。
私は、彼の膝枕から身を起こすと、衝動的に抱きついていた。
「・・・A?」
「・・・・・」
無言でいる私から何かを感じ取ってくれたのか、彼は私の頭を撫でながら優しい声で語りかける。
「・・・まだ、俺はここににいる。朝までずっと一緒だ。安心しろ・・・またすぐに会える」
「リヴァイ・・・」
見上げた彼の瞳は、ランプの灯りが映り込み、いっそう優しく、柔らかく・・・私を見つめていた。
「・・・キスして・・欲しい」
「お前にせがまれるのも悪くねぇ・・・」
彼の手のひらが頰を包み、焦らすように親指で唇をくすぐる。
私は、我慢できなくて、その指にキスをした。
彼が顔を傾けながら、私の顔に重なり出すと、鼓動が速まるのがわかる。
私・・・・こんなにリヴァイを求めてる・・・。
唇が触れ、少し離れる。
また近づき、強く押し当てられる。
彼は私の首の後ろに手を回し、だんだんと深く・・・甘い口づけに変わっていく。
リヴァイが好き。
リヴァイのキスが大好き・・・。
その気持ちを伝えたくて、私もあなたの背に腕を回して、きつく抱きしめると、そのまま押し倒されるようにして、ベッドに横になった。
「リヴァイ・・・。やっぱり私・・・ドキドキして、眠れないかも」
彼の腕を枕に・・・
腰に彼の腕がまわされ・・・・
静けさが広がる薄闇の中、愛する人が私に囁きかける。
「フッ・・・。俺もそうだ。だから、お前が眠るまで見守ってようと思ってな・・・」
「ふふっ、寝不足になっちゃう・・・」
そうして、何度目かのおやすみのキスのあと、やがて私は眠りに落ちていった。
「・・・ゆっくり眠れよ・・A」
リヴァイがそう言ってキスしてくれたのを、まどろみの中で感じた・・・。
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ああ - ドキドキがとまりませんでした〜 (9月16日 22時) (レス) @page28 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
じっくりコトコト - 兵長と一般人の恋愛は一味違っていて、とてもドキドキしました!一般人に見せる兵長の優しい顔、すてきだろうなぁと想像しながら読み進めました! (2021年1月13日 16時) (レス) id: 693713d422 (このIDを非表示/違反報告)
りぃまーる - 泣いてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月21日 14時) (レス) id: a3334f2d39 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - サロメさん» サロメさん、コメントありがとうございます!初めて書いたもので恥ずかしいのですが、温かい言葉を頂き、とっても嬉しいです(;▽;) (2017年10月1日 1時) (レス) id: de23ec7cfd (このIDを非表示/違反報告)
サロメ - コメント失礼します!とても優しい話で、久々に読みきった時の喜びと悲しさが大きかったです。素敵な話をありがとうございます。 (2017年10月1日 0時) (レス) id: 657e6fdf88 (このIDを非表示/違反報告)
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