虚言 ページ9
「君、止まるんだ！」
金沢は、わざとらしく両腕を広げ、なだめる様に蒼生に語りかける。
「わかった、わかった。君の話を聞いてみようじゃないか。戦車部隊の件も私が何とかしてあげよう」
金沢の胡散臭い呼び掛けに、蒼生は足を止めた。
「本当？」
「ああ、本当だとも！だから、まずは大人しくこっちへ戻って来なさい」
相変わらず身体を震わす砲撃音が鳴り止まぬ中、蒼生は戦場と杏里の顔に視線を泳がせた。
迷っているようだった。
『時間がない』
蒼生はそう言っていたが、蟲の音波で何か危機を察したのだろうか。
都合の良い金沢の提案を鵜呑みにするほど、素直じゃない。
だからといって、他に良い手は何も浮かばなかった。
イエスともノーともつかない、苦々しい顔を蒼生に向ける。
しかし、先程は一喝されてしまったが、説明する場さえ整えば上層部も理解を示してくれるのではないか。
蒼生の話には空想ではない、確かな根拠と信憑性があるからだ。
ここは一旦引くべきなのかもしれない。
蒼生はそんな彼の考えを汲み取るように小さく頷くと、金沢の方へと踏み出した。
彼もまた蒼生の決心に従うことにし、金沢を振り返ったその時ーー
『捕らえろ』
金沢の口の動きが、杏里の目に飛び込んで来た。
兵士に耳打ちする金沢の姿。
間違いない。
やはりこの男は、話なんて聞く気はなかったんだ！！
思考より身体の反応が勝った。
殆ど反射的に、とぼとぼとこちらに歩いて来ていた蒼生のもとに走り、腕を掴むと正門へと駆けていた。
彼にしては珍しい事だ。
あるいは、最初から金沢の事を信用していない事が功をそうし、こうなることを予見出来ていたのかもしれない。
命令を出した金沢も、それを困惑した顔で受けた兵士達も、彼と蒼生から目を離した一瞬の隙だった。
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凪沙(プロフ) - 雛雪。さん» 読んでくれてありがとう〜////次回から蒼生の戦いだよお！ (2017年9月16日 12時) (
レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)
雛雪。(プロフ) - 凪沙さん» 蒼生クンの小さな背中に使命を感じつつも、室長にとってはもどかしさが伝わる空気……(*;ﾟ;艸;ﾟ;)途中まで読めて無くて、今日になってやっとこさ読めた〜〜〜ﾟ+.ﾟ(´▽`人)ﾟ+.ﾟ (2017年9月15日 16時) (レス) id: 083e971712 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 雛雪。さん» きゃああ！ごめん、遅くなって〜〜！ヽ(；▽；)ノというか、雛雪さん自体が久しぶり��(ﾟДﾟ)あわわ...！ありがとう〜！ (2017年7月30日 15時) (レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)
雛雪。(プロフ) - 凪沙さん» 続き待ってました〜〜〜(*;ﾟ;艸;ﾟ;)ｱﾜﾜ…VRメガネ掛けていたい程の風景が……戦慄がリアル〜〜〜((( ；ﾟДﾟ)))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ (2017年7月30日 14時) (レス) id: 083e971712 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - Ａｋｋｉｙさん» わああ！Ａｋｋｉｙ、久々だぁ！ヽ(；▽；)ノ続編来てくれてありがとう！臨場感...今後も出せるように頑張るよぉ！( ´ ▽ ` )ﾉ (2017年3月23日 21時) (レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)
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