【SF巨大生物】R E D ー僕が世界を救うその日までー【オリジナル】

宮本 宗孝 ページ47

「宮本隊長、総員配置に着きました！」

「よし！これより討伐軍基地防衛任務を開始する！！」


正門前に二部隊がそろい、宮本は声を張り上げた。



およそ二キロ先に黒い巨大な塊が見える。

見張りに聞いた話では、体長五メートルから六メートルと確認出来たそうだ。









ーあれと対峙するのは何度目だろうか。



多くの仲間が殺され、妻と娘をも失った私は、一時期自暴自棄(じぼうじき)になっていた。

自分は運が良いだけの臆病者で、大切なものは何ひとつ守れなかったのだから。




そんな私を救ったのは二階堂総司令だった。



この戦いに勝利するために私が必要だと、そう言ってくれたのだ。



すべてを喪失し、自分の存在価値を見出せなくなっていた私が、この言葉にどれほど救われたか・・・。









彼は私が自衛隊に所属していた時からの上官で、誰より厳しい人だった。

彼のことを恐れる隊員がほとんどだったが、私の目にはそう映らなかった。


厳しさゆえに、私は後の任務に自信が持てたし、困難な状況にも打ち勝つ精神力を養えたのだ。



規律を重んじ、他人以上に自分に厳しい彼の姿は全隊員の模範であり、私は彼の部下であることを誇りに思っている。



尊敬・・・いや、崇拝(すうはい)していると言っても過言ではない。



私は明確な意思で、二階堂総司令官のために命を賭けて戦う覚悟が出来ている。



『侵入を許してはならない』



私は二階堂総司令が下したこの命令を必ず遂行(すいこう)してみせる。





「戦車部隊、前進せよ！合図とともに威嚇(いかく)砲撃(ほうげき)を開始する！！」


宮本が乗り込んだ戦車を含む15台が、目前に迫り来る《ザムザ》へ向け、一斉に前進を始めた。

威嚇砲撃→←戦車部隊配備

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