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強い意志 ページ32

蒼生は立ち上がり、窓の前に立った。

飾り気の無い灰色のカーテンを引くと、眩しい程の朝日が射し込む。
例に漏れず、この窓にも嵌められている鉄格子の影が床に落ちた。

蒼生は目を細めたが、またゆっくりと開き前を見据える。


「僕なら守れるんだ」


光の加減で薄いグリーンにも見える蒼生の瞳に、静かな強い意志を感じた。


「僕が《ザムザ》と討伐軍から、この世界を守るんだ」


一体何が彼を突き動かしているのだろうか。
偽善的な正義感だけでは、あの蟲に立ち向かう事など到底出来ないだろう。


好奇心ーーー。


蒼生ならあり得るかもしれない。








「そうだ。お前、サミュエル=コールマンと知り合いなのか?」


何となく空気を変えたくて、昨日見たネットの事を振ってみた。


「えっ?サミーを知ってるの?」


こちらを振り返ったその顔は、また無邪気な子供に戻っていて内心ほっとした。


「サミー・・・?いや、知ってるも何も有名人だろう」

「そっか。サミーは僕の友達なんだ!」


屈託(くったく)のない笑顔で、祖父と孫ほど年の離れた学者を友人だという。


「お前の事、ネットで見たよ。コールマンの助手だと書いてあった。一緒に写った写真も載っていたんだ」


罰の悪そうな俺を余所に、蒼生は懐かしい友人の名前が出た事への喜びを隠せないようだった。


「サミーとは大学の時知り合ったんだ。僕が研究してた《昆虫の脳信号と神経伝達》の論文が面白いって・・・ふふっ、メキシコ料理をご馳走してくれたんだよ!一緒に色んな研究をしたんだ。アマゾンやマダガスカルにも行ったんだよ。僕よりサミーの方が大はしゃぎで・・・」


不意に言葉が途切れた。

目を伏せ、こちらに背を向ける。


「あいつらが現れてからメールの返信が来なくなったんだ。三年前のあの昆虫の解剖結果も、サミーだけは知っている。だから、《ザムザ》を見たら驚いて絶対僕に・・・」


蒼生は深いため息をついた。
背中越しで表情は伺えないが、不安と悲しみに顔を歪めているのだろうか。

守るべきもの→←増えた敵



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設定タグ:オリジナル , SF , 巨大生物   
作品ジャンル:SF, オリジナル作品
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凪沙(プロフ) - 沙羅さん» ありがとぉ沙羅!o(≧▽≦)o この先視点が色々になるからね、ゴチャゴチャしないように頑張る〜!戦車まだまだ出るよ〜(笑) (2017年1月29日 23時) (レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 戦車出た〜!!(≧▽≦)ガルパン好きな私としてはテンション上がる〜!すごく想像できるよ(笑)いよいよ戦闘が始まったね!蒼生くんの登場も楽しみにしてる〜♪ (2017年1月29日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 雛雪。さん» コメントありがとう!やっと戦闘めいてきたけど、人類ヤバイです(>_<)ドキドキしてもらえるように頑張る〜! (2017年1月29日 22時) (レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)
雛雪。(プロフ) - 凪沙さん» 全人類に成す術は在るのか………ヽ(;゚;Д;゚;; )!!めちゃめちゃ凄いSFの醍醐味になってきたよ〜〜〜Σ(・∀・|||) (2017年1月29日 20時) (レス) id: 083e971712 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 桜吹雪さん» 桜吹雪さん、読みに来ていただいて嬉しいです!ヽ(;▽;)ノ感想まで...ありがとうございます!今後も頑張りますねっ♪イベント参加させて頂き、ありがとうございます(≧∇≦) (2017年1月29日 18時) (レス) id: 69c3a15575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪沙 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月16日 8時

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