【SF巨大生物】R E D ー僕が世界を救うその日までー【オリジナル】

最高機密文書 ページ30

「お前・・・！これは！？」

「え？」

「だから・・・！何でお前が軍の最高機密文書を開いてるんだ！！」

「杏里のIDでログインしてね、数字のパズルを解くんだよ。三回」


蒼生は俺のネームプレートを見せ、事も無げに言った。


確かにネームプレートにはIDが書かれているがパスワードを教えた覚えはない。
二年がかりで構築したセキュリティプログラムだと聞いていたのだが。


「・・・待て待て！俺のIDだって！？まるで俺がハッキングしてたみたいじゃないか！！」

「そうだよ」


開いた口が塞がらない。


「でも痕跡(こんせき)は残してないから絶対に見つからないよ。それより、これ読んで」


一通の英文メールが表示されている。

本部から各国の支部へ送信されたもののようだ。


自慢じゃないが、俺は英語を流暢(りゅうちょう)に話したり読んだりする事が出来るレベルではない。
そんな俺の様子を察したのか、蒼生は少し頬を膨らませてから、日本語でメールを読み上げた。


「《当局より各支部へ通達。

各国首脳、議会幹部並びに、討伐軍統括官を米国本部へ徴集(ちょうしゅう)し、原子爆弾及び、水素爆弾での攻撃可否・投下地区の決議会談を開催する。

尚、現在投下が有力視されている国を以下に明記する。


ー日本・インドネシア・南アフリカ、南アメリカの一部地域ー


いずれの国も、原発被害・有毒物質等による汚染が広範囲に至る点、他国への移住人口が少数である点、また復興は極めて困難を要すると考えられるためである。


会談は六月中旬の予定とし、詳細は追って報告する。


核は我々人類の英知が生み出した最終兵器であると共に、膨大な犠牲やリスクを伴う科学兵器でもある。

核使用案は当局でも苦渋(くじゅう)の決断であることを理解頂きたい。


諸君らの健闘を祈る》


・・・こう書いてあるんだ」

「核・・・だって！？そんな馬鹿な事が・・・！」


蒼生の通訳を聞きながら英文を目で追っていた。

確かにそう書いてあるようだが・・・


水面下でこんなやり取りが行われていたとは、信じられない。

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