【SF巨大生物】R E D ー僕が世界を救うその日までー【オリジナル】

プロローグ ページ1

ーＸ年ー


遥(はる)か太古の昔。


地球上では、弱肉強食の世界が繰り広げられていた。


地上の王として君臨し、繁栄(はんえい)した者。

空を支配した者。

海中で新たな進化を遂(と)げた者。


狩る者と狩られる者・・・その図式が克明(こくめい)になった時、弱者は選択を迫られる。

このまま絶滅種として滅びるか、生き延びる道を模索するか。


そして《彼ら》は選択した。

地中深く・・・さらに奥深くへ。
マグマが煮えたぎる、コアの側まで・・・。

何者も寄りつかぬ、暗黒の楽園へ逃げるのだ。

そして・・・・。



劣悪(れつあく)な環境は《彼ら》の進化に大いに影響を及ぼした。

視力の低下、聴覚の向上、甲殻(こうかく)の異常発達。



やがて地球に氷河期が訪れた。

太陽は奪われ、草木も水も枯れ果てたこの大地で、かつての強者達は哀れなほど呆気(あっけ)なく絶滅した。



悠久(ゆうきゅう)の時が流れ、地球に新たな生命が誕生し始める。


《彼ら》は生き延びていた。

だが、種族が繁栄するほど、地中の微生物や養分の摂取だけでは限界が近づいていた。


まだだ・・・。
焦ってはいけない。


《彼ら》は機を伺っていた。
もう弱者ではない。

光のもとで生きるのだ。



地中の奥深くで、無数の巨大な黒い塊が蠢(うごめ)き、その時をまっている。

地上の獲物を狩る時を・・・・。

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