番外編が通ります4 ページ48
*エイプリルフール*
四月一日。
アインクラッドの空は、薄暗い。
キリトは今日はダンジョンに潜る気はないようで、すぐそこのベッドに寝そべっている。休日の親父みたいと言ったら怒られるだろうか。
さて。
先にも述べたとおり本日は四月の一日即ち、エイプリルフールだ。嘘を吐く事を赦される日である。
実のところなにが元になっているのか知らないイベントだが、こういうのは楽しんだ者勝ちだと思う。
「キリト、キリト」
「ん・・・・っ、A、?」
揺すってみると、重たそうに瞼を開いたキリト。あ、本当に寝ていたのか。
「大事な話があります」
「なんだよ急に・・・・」
雰囲気に気おされたのか背筋を伸ばしたキリトは、神妙な面持ちで言った。
「ついこの間、Aは女だ、と言いましたよね?」
「あ、うん」
「そのことなんですけど、・・・・ちょっと、謝らなければいけなくて」
「謝る?」
少しの間を空けた後、頭を下げながら言った。
「ほんとはそっちが嘘で、Aは男なんですっ」
「えっ・・・・・・は?」
「女だって言っていたほうが、プレーヤー相手には都合がいいかな、と思ってたんですけど」
言葉をそこで区切り、しばらくしてから顔を上げた。
「・・・・・キリト?」
キリトはなにやら考え込むように視線を下に向けていた。
「今日って、・・・・・何日だっけ」
「えーっと、四月の・・・あ、桜の月とかって言うんでしたっけ、一日ですね、確か」
あ。あー・・・・。
「・・・・ほーお」
ばれた。呆気なくばれた。
キリトは挑戦的な瞳で楽しそうにこちらを見る。
「・・・・で、Aが男だって?」
「いえ、生物学上、女やメスと表される部類です。・・・・面白みのない人ですね。一瞬騙されてたくせに」
「まさかAがこういうイベント事に積極的だとは思ってなかったんだよ」
まさかこんなに簡単に見破られるなんて思ってませんでしたよ、私は。
「悔しいので今日中に絶対完璧にキリトを騙して見せます」
「・・・・・ちょっと待て。何に対抗心燃やしてるんだ」
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今回はエイプリルフールにちなんで。
皆さんは、今日嘘つきましたか?私はまだです。
まあ、無理矢理つく必要もないですけどね、、、
うん。やっぱり人間素直が一番です!
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菓豆(プロフ) - 夜風さん» コメントありがとうございます。頑張ってカルマの小説も更新しないとですね (2015年4月5日 13時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
夜風 - お帰りなさいです!カルマ君の小説、読ませていただきました!とても面白かったし、何より夢主ちゃんがかっこよかったです!更新頑張って下さい! (2015年4月5日 13時) (レス) id: 2e25d02f53 (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 紫芋さん» ただいまですっ!!実は旅行中ずっとこの小説の事考えてました(笑) (2015年4月5日 12時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - 菓豆さん(旅行から)お帰りなさい!これからも、菓豆さんの作品見させて頂きます!頑張ってください(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年4月5日 11時) (レス) id: 262404c03e (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます。ご意見、ご感想等何回でもコメント下さい!! (2015年4月5日 10時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菓豆 | 作成日時:2015年3月15日 20時