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キリトと二人屋根の上で、暗くなった空を眺めながら口を開いた。
「さっきは、すみません。いきなり抱きついたりして」
「いや、大丈夫だ。それよりAのほうは落ち着いたか?」
「・・・・・はい」
膝を抱え、下を向きながら呟いた。
「キリトには、親、もしくはそう呼べる人はいますか?」
「うん・・・・・いるよ」
「薄々気づいていると思いますけど、私にはいません。でもね、一応望まれて生まれてきたんですよ。・・・とは言っても、」
思わず口元が笑みをつくる。
「殺`人兵器の一つとして、人工授精ってやつで。足には常に遠隔操作できる爆弾付の生活。命令は絶対。例えそれが人を、・・・殺`す事でも」
「・・・・・・」
「なんかの研究も同時にしていたみたいで、いろんな薬打たれました。その結果が、これです」
そっと、目を指差す。
「髪は、生まれつきです。瞳は血の色が透けて赤かったはずなんですけど、いつからかこうなってましたね」
ほんと、あの時は地獄だった。
目が焼けるように熱くなったと思ったら、唯一色のあった瞳すら真っ白だったんだもん。
ああ、人間らしさがなくなっていくなぁ、なんてぼんやり思ったりもしたっけ。
「ちなみに、元は黒髪だった被検体はカトルみたいに金に近い茶髪になってました」
「被、検体・・・・」
キリトが両手をぎゅっと握り締めた。
その行動は恐怖から?
それとも、怒りから?
どっちにしろ、
「キリトがそんな顔する必要はないですよ。あ、いや・・・・させてるのは私ですね。ごめんなさい」
「・・・・なんで、Aが謝るんだよ・・・・・っ」
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菓豆(プロフ) - 夜風さん» コメントありがとうございます。頑張ってカルマの小説も更新しないとですね (2015年4月5日 13時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
夜風 - お帰りなさいです!カルマ君の小説、読ませていただきました!とても面白かったし、何より夢主ちゃんがかっこよかったです!更新頑張って下さい! (2015年4月5日 13時) (レス) id: 2e25d02f53 (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 紫芋さん» ただいまですっ!!実は旅行中ずっとこの小説の事考えてました(笑) (2015年4月5日 12時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
紫芋(プロフ) - 菓豆さん(旅行から)お帰りなさい!これからも、菓豆さんの作品見させて頂きます!頑張ってください(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年4月5日 11時) (レス) id: 262404c03e (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 優さん» コメントありがとうございます。ご意見、ご感想等何回でもコメント下さい!! (2015年4月5日 10時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菓豆 | 作成日時:2015年3月15日 20時