＊276話「準備体操」赤葦side ページ7
「彩愛っ」
「はいっ」
スパンッと相手コートに落ちるスパイク。
大和が入ったことにより、
さっきまで空回っていた攻撃が決まり始めた。
だが......。
「なあんか、いまいちのれてねえのな」
「そうですね」
得点は12対17の5点差。
自然と眉間に皺がよる。
「......大丈夫か？」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ！」
周りの心の声を代弁したように呟かれた黒尾さんの言葉に、
からからと笑いながらそう言う宮瀬さん。
隣の向日さんを見れば、余裕そうな顔で観戦していた。
「......随分な自信だな」
「ん？ まあな」
「だって、“A”がいるし！」
ニコニコといつになく自然な笑みで告げる宮瀬さん。
あまり見ることのない笑顔に少し驚く。
向日さんもどこか嬉しそうに笑みを浮かべる。
「でも、普通じゃね？ 特にすごいことはなくない？」
木兎さんのドストレートな物言いに、
烏野からの視線が刺さる。
悪気はないから質が悪い......。
宮瀬さんも怒るぞ......。と思ったが、
彼女は不適に微笑み、言った。
「そりゃ今は“準備体操”だからね」
「準備体操？」
宮瀬さんの言葉を復唱しながらこちらに首を傾ける木兎さん。
俺もわからないので、「どういうことですか」と素直にきく。
「体をならしてるんだよ、ようは」
「ならす......」
「あいつが最後にバレーしたのはあたしらが覚えてる限り2年前だからな。
ブランクもあるし。まあ、全員の調子とかトスの調整とかもしてるんだろうけど」
その言葉になるほど、と頷く。
「まあ、それも」
向日さんがなにか言いかけたとき、点を決められた。
ああ、と木兎さんが声をもらす中、確かに見た。
「もう“終わる”けどな」
クスリと目を細めて、妖艶に微笑んだ“彼女”を......。
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
