＊313話「決着」 ページ45
さっきのでガクガクする足をパシンっと叩いて踏ん張る。
そして、ふうー、と息を吐く。
結良のサーブなので、後頭部に気を付けて
と声をかけつつ、頭を冷やす。
ホイッスルが鳴る。
放たれたサーブは、人が交錯するいいところ。
やや乱れたレシーブだが、それくらいじゃ早乙女はひかない。
それはブロッカーもわかっている。
使われた速攻に、ちーがワンチをとる。
「チャンスボール！」
綺麗に私の上にあげられたレシーブ。
「彩愛っ！」
「はいっ！！」
少し短いトスからのスパイクはブロックにひっかかる。
だが、コートへ大きく弾いたため、乱れた。
レフトにあげられたトスからのスパイク。
クロスへ打たれたボールは結良の正面だったが、
構えすぎたのか対角線でコート外へ飛ぶ。相変わらず、下手くそ。
それに顔をしかめるが、
視界の端。私のいるところから反対の端。
結良が助走しているのが見えた......。
気づいたとき、考えるよりも早く
“体”が動いた。
ジャンプしながら体を回し、
遠心力を利用して“エース”のもとへトスを。
低すぎず、高すぎない。
ちょうどいいトスに、振り下ろされる腕。
ドンピシャ
タイミングばっちしのトスから放たれたスパイクは、
ブロックを撃ち抜き、相手コートへ決まった......。
トントントトン......。
勢いを失うボールを見て、コートへ戻ろうとした足を止める。
そして、ポールに手をつき、天井をあおぐ。
「勝ったぁ......」
そう呟いた瞬間、歓声が体育館を包み込んだ。
カウント25対23。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
