＊314話「ハイタッチ」 ページ46
わあぁーっ、と沸き立つ周り。
ポールに支えてもらいながら、目があった結良のもとへ一歩踏み出した瞬間、
ガクンと膝から崩れる。へたりこむ私に見ていた結良が駆け寄ってくる。
「大丈夫か？！」
「う、うん」
胸を押さえながら、頷く。
結良も大丈夫なのがわかったのか、ほっとして手を差し出してくれた。
今日、手をかりてばかりだな、と思いながら立ち上がろうとした。が......。
「A？」
「......立てない」
全く力が入らない足。
どうやらさっきので、今まで押さえていたものが緩んだようだ。
しばらくポカンとしていた結良だが、
理解したのか苦笑しながら、手ではなく肩を貸してくれた。
かっこつかないなあ。
と思いながら、ベンチに向かう。
そこには服をぎゅうっと握りしめ、
何かを我慢しているように立つ叶羽。
私たちは我慢しているのがなんなのか察し、
それぞれ片手をあげる。
その様子を彼女は心底不思議そうに見つめる。
「叶羽」
「お手を拝借」
「え？」
わけがわからないまま、あげられた両手に
パシンっと結良は左手、私は右手にハイタッチをする。
瞬間、塞き止めていたのが限界を迎えたのだろう。
ぶわっと溢れた涙。
それを拭う間もなく、抱きつかれる。ていくか、力余ってしめられる。
「ちょちょちょ」
「ぐるじい......」
「うわあああん、おづがでえええええ」
泣き方が昔と変わらず激しく、
小さい子みたいにワンワン泣き叫ぶ叶羽。
その頭を撫でながら、
叶羽の後ろにいた真赭さんや藍さん、
烏野のみんななどから労いの言葉をもらう。
本当に勝ったんだな、と実感していたそのとき、
「ふざけんなっっっ！！」
早乙女の怒号が響いた。
＊315話「なんでっ......」早乙女side→←＊313話「決着」
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
