＊298話「答え合わせ」 ページ30
話は少し遡り、タイムアウト時。
「早乙女と7番って仲良いの？」
「んー？」
あくまで早乙女ベンチには背を向けたまま、
後輩たち、というより早乙女と同学年の子たちに聞く。
結良は私越しに確認する。バレバレすぎない？
私に聞かれた彼女たちは、顔を見合わせて一つ頷く。
「良いよね」
「うん。なんだっけ？ 小学校が一緒？
で再会したみたいな感じだったよね？」
「うん。だからか、あいつも態度が他と違うよね」
「やっぱり......」
うんうん、と頷き合う後輩たちに、
自分の憶測は間違っていなかったのを確証する。
そして、“使える”と思った。
そこからはさっきの通り。
レシーブを敢えて乱させる。
だが、速攻にいけなくもないくらい。
(まあ、これは狙ったわけではなく副産物として利用した)
そして、焦っており、かつイラついている
早乙女の選択肢は限られる。
ましてや、早乙女のせいで怯んで不調となりつつある周り。
この中でも唯一、まだ調子を保ちつつある7番。
限られているというより、もはや一択しかなかった。
セット間。
まだ呆然としている早乙女に、割りと良い気味だと思う。
「A、こわっ......」
「なんで何もしてないし言ってないのに怖がるのよ」
「いや、顔に出てるよ。うん」
顔に出さないようにしてたが、漏れてたらしい。
早乙女にそれらしいこと言っときながら、
人のこと言えないな、とタオルで顔をふく。
「まあ、良い感じに作戦もはまったし、
向こうはもうダメだろ......」
チラリと見れば、あっちだけ空気が重かった。
強豪と言えど、中学生。
メンタル面の強さはまだまだ。
「このままの調子で第三セットもとるぞ！」
「結良さんが落ちなきゃ大丈夫ですよ」
「うんうん」
「お前ら先輩だっての忘れんなよ......」
陽気な空気が漂うこちら側に、
私も自然と笑みを浮かべた。
へばりつく前髪をタオルで軽くふき、なんとなく呟いた。
「あっつ......」
本当に何気ない言葉。
このときはまだ気づけていなかった。
己の身に起こっていることに......。
＊299話「忍び寄る陰」向日side→←＊297話「同情する」
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
