検索窓
今日:2 hit、昨日:28 hit、合計:165,151 hit

*125話「忙しい」 ページ41

インハイ予選からしばらく経ち、私は……。


「この資料どこだっけ?」

「さっき印刷したといってなかったか」

「あー、そうだった!」


生徒会の方でてんやわんやしていた……。


来月になると、生徒会役員選挙というものがあり
その引継ぎやら、なんやらで忙しくなるのだ。

まあ、2年生以下は選挙に参加するものが多いため、
その準備もしなくちゃいけない。



さきほど印刷したものをホチキスで閉じ、ファイルに綴じる。

凝り固まった肩をぐるりと回していると、(もうすぐ引退だが)会長の大和新羅(やまとしんら)さんが
紙パックのオレンジジュースをくれた。


「ほい、お疲れさん」

「……会長、また抜け出しましたね」


手の中にあるジュースと会長を交互に見、睨む。

会長は気にも留めず、残り数回しか座らないであろう会長席に座る。


「いいじゃねえか」

「よくないですよっ。引継ぎ、ちゃんとしていただけないと
来年が大変なんですよ?」

「それこそ問題ないだろ。次の会長は久藤なんだし」


名前を呼ばれ、
次期会長で副会長の久遠皐月(くどうさつき)が顔をあげる。


「問題あります。ちゃんと最後まで仕事をしてください」

「あ、聞いてたには聞いてたんだ」

「大和。貴様も早く続きをやれ」

「休憩ぐらいさせて」


真面目を通り越して堅物の、次期生徒会長様にそう返せば途端に噛みつかれる。


「貴様は休憩なんてしている暇ないだろう。
一番仕事がたまっているんだぞ」

「わかってますよ。
まったく、次期会長は融通が利かなくて嫌だ」

「な、なんだとっ」

「まあまあ、二人とも落ち着いて」


一触即発とまではいかないが、口論になりかける私たち。

日常茶飯事なので、会長は楽しそうに私たちのやりとりを見物している。


久遠に言われたわけじゃないが、流石にそろそろ再開しようと
作業に戻ろうとしたとき会長に声をかけられた。


「ああ、そうだ。A、さっき武田先生が
少しでいいから部活に顔を出してほしいってさ」


そう言われて、思わず固まる。


「なんか大事な話っぽかった」

「……取ってつけたように言わなくてもちゃんと行きますよ」


何か言いたげな久藤の視線に気づかないふりをして、
生徒会室をあとにした。

*126話「東京遠征」→←*124話「みんなの気持ち」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
372人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星蛍(プロフ) - 琴音さん» あちゃー。やっぱりありましたか(汗)。すみませんが、書き方の統一を優先しているので、シリーズが完結次第、誤字修正をしていきます。教えたくださり、ありがとうございます。 (2019年4月1日 20時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - いっぱい間違えてますね。月バリが月バレとか月バスになってたり、聞いてきたが聞いて生きたとか、久藤が久遠だったりまだまだありますけどw (2019年3月31日 17時) (レス) id: f776e23ba8 (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてタヒぬ←w(プロフ) - 正しくはコンクリート出身、日向翔陽です。貴方をぶっ倒して全国へ行きます。だったような… (2016年7月5日 22時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星蛍 | 作成日時:2015年3月22日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。