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そらされない視線に観念し、とりあえず、Tシャツの文字だけ見せる。
「えっと……だいわ、なでこ？」
「“大和撫子”だよ」
絶対言うと思った日向君の発言に即突っ込む。
ていうか、私の苗字読めないのかな。もしや。
彼の漢字の読みのできなさは置いといて、
選んだと胸を張る2人をジト目で睨む。
「名字で決めたでしょ」
「何を言う！！
Aという人物をこれほど端的に表した言葉はこれ以外にないだろ！！」
「神社に住んでるしな！！」
「意味わかんない」
はあ、とため息をつくと、
それで？ と隣から疑問の声がふってきた。
「なんで着ないんだ？」
「うっ……」
チカちゃんの不思議そうな様子に、言葉がつまる。
ぶっちゃけ着るのと話すのだったら、断然話すほうがましなんだけど
やっぱりそれでも恥ずかしいというか、言いづらいというか。
悶々と心の中で自問自答を繰り返していたが、
着るよりまし！ となんとか腹をくくって話す。
「……ぃんだよね」
「え、なに？」
耳を寄せるチカちゃんに、もう一度だけ呟く。
「だ、から……薄いんだよね」
「は？ 薄い？」
どういうことだ、と田中と夕にチカちゃんが聞く。
2人、というか夕がなんてことないといった風で答える。
「Aは暑いのに弱いからな。通気性のいい奴にしてもらったんだ！」
「そうなんですか？」
「おう。夏はバテ気味で、酷いと寝込む」
「へえ、お前らにしては気を利かせたな」
いや、その気を利かせたのが逆にダメだった、というか……。
そうぼかしていうも伝わらなかったらしく、
あー、もう、と言って叫んだ。
「透けるんです！！」
たっぷり間が空き、みんな「え？」と声をもらす。
色は深緑でいいな、と思ったのだが、
薄いせいか中に着ているものの色や柄がわからないまでも、
形はわかってしまうという、透け具合に受け取った瞬間気づいた。
中にタンクトップとか着ているならば、着てもいいんだが、
あいにく今日はキャミソール。だから、
「着るのは、ちょっと……」
「そ、そうだな」
気まずそうな大地さんに、いたたまれなくなる。
だから、言うの嫌だったんだよ。
はあ、と今日何度目かわからないため息をついたとき、
「A」と田中に呼ばれた。
なに、という前に、
一瞬で目の前に来た田中、夕。
そして、
「「ぜひ、着てください」」
「なっ」
「させるわけないだろっ」
その瞬間、チカちゃんがすかさず拳骨を落とした。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» そうですね！！ 今、そういった誤字脱字とかを修正しているところです。読みにくいし、この人誰？！っていうのもあるかもですが、何卒ご了承ください。すみません。 (2020年11月12日 8時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ 「お、俺が呼んでたのにぃ！！」 の 呼んでた は 読んでた ではないのでしょうか？話の流れ的にそうかなと思ったのですが (2020年11月11日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてﾀﾋぬ←w(プロフ) - 誤字…ノヤっさん→ノッヤさん、潔子さん→清子さん (2016年7月5日 19時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 抹茶アイスサンドさん» よくよく考えたらどんだけ手が薄いんだって話になりますね！！ありがとうございます (2016年4月2日 11時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶アイスサンド - ３２話の厚さ約５mmではなく、約２cmだと思います。 (2016年4月2日 10時) (レス) id: 0e8f4b9561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2014年8月5日 13時
