【HQ】烏に紛れている鷹【烏野】

＊32話「新しい攻撃」 ページ34

試合が再開し、影山君がトスをあげたと思ったら、
瞬きをする暇もなく日向君がうった......？


え、な......え？！

パッと横を見ると鳥養さんが呆気にとられているのを
武ちゃん先生がニヤニヤして見つめていた。

もう一度、コートを見て
さっきのが本当に攻撃だったのを理解する。


「今の......速攻？」


呆然と呟くと潔子さんにくすくすと笑われた。


「そっか、Aちゃんは知らないんだっけ？」

「この間戻ってきたばかりですので」

「そうだよね。あれがね、新しい烏野の攻撃なの」

「はあ……」


間抜けな声をあげているのは百も承知だが、
なんか驚きで気の抜けた声しかでない。


すごい飛ぶなあとは思ってたけど、
あそこまですごいとは......。

まあ、何よりすごいのはあの正確なトス。
数ｍｍのずれもなく、ピンポイントで日向君に合わせた。


そして、試合前の孝先輩の言葉に合点が行く。



＿＿＿「俺は圧倒的な力の影山の影に隠れて安心、してたんだ」



天才と凡人か......


「そりゃ、思うよ」

「何言ってんだ？」


独り言のつもりが聞こえてたらしい。

久君に独り言だよーと答えてうつむく。



やっぱ、天才って、ほんと……。


「むかつくなあ」


ぼそりと本当に本当に小さく呟いた。



.



「……」

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