【HQ】烏に紛れている鷹【烏野】

＊31話「さみしげ」山口side ページ33

日向が東峰さんのプレイを見て、
変わったことをすぐに見抜いた大和さん。

そしてその様子を楽しそうに見ている。

けど、その目の奥には確かに青城の及川さんと
似たような鋭さが含まれている気がした。


こんな顔もするのか……。

ぞわりと身の毛がよだつ不適な笑みに
目がそらせないでいると、


「ねぇ、山口君」

「ひゃい！！！」


いきなり呼ばれ、おもいっきりかんだ。


うわ！！はずかしっ！！！

暑くなる顔の下半分を片手で覆っていると、
大和さんは、


「ふふふっ。ごめんね、びっくりさせちゃったね」

「あ......い、いえっ」


困り顔で微笑まれた。

うわっ、び、びじ……って、そうじゃなくて！！


「そ、それより、どうかしたんですか？」

「あぁ、あのね。日向君って、旭さんに憧れてたの？」


顔が暑いのを感じるが、
大和さんは全く目にもくれず聞いてきた。

複雑だが、おかげで落ち着いた。


「あ、いえ。日向は烏野の小さな巨人と
言われたエースに憧れているみたいです」

「なるほど。それで旭さんのプレーを」


ふむふむと頷くこの人に、

そういえば、入部当初この人はいなかったなあと思い出す。


けど、

声がはずんでいるのに、
どこかさびしそうに見えるのはなぜだろう......？

＊32話「新しい攻撃」→←＊30話「羨望」

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