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グ「で、お前の方のやることって?」



清掃員の制服からグレースの服に着替えながら、ピンガはレナに訊いた。



『カフェの清掃のキャンセルを入れたと思われる証拠を作っておくのよ。一方的に要件だけを言われたってことにするから、10秒程度の通話時間の履歴でいいと思うけど。』



そう言うと、レナは自分のスマホを操作し始める。
元々組織で使っていた端末であるため、情報が漏れないよう、こまめに通話履歴は消していたが、流石に今回の偽装用に1件だけ残すと怪しまれると考え、画面を埋め尽くすほどの偽の通話履歴をアプリを使って作っておいた。



グ「それなら俺の部屋じゃなくてもできんだろ……。」


『忘れないうちにやっておきたかったし、ピンガはタネを知っていた方がいいと思ったからね。それに、動画の編集もちょっとだけ見たかったし。』


早くやって見せてよ、とピンガを急かすが、当の本人は、どうせ見ても分かんねぇんだろ?と少し呆れた顔でレナを見た。


ピンガは慣れた手つきで作業を進めると、数分もしないうちに1つの動画を作り上げた。



グ「……これでいいだろ。後はメインルームでこの映像とカフェの防犯カメラを切り替えれば完全に終わりだ。」



ピンガは一仕事終え、ホッと一息ついた様子で居たが、レナは何か違和感があるような表情でピンガが使っていたパソコンを見ていた。



『(……何だろう。何かを見落としてるような、変な胸騒ぎがする……。)』


グ「ほらな。そんな顔してるって事は、やっぱ何してるか分かんなかったんだろ?」


『そんな事ないわ。1回見れば概ね覚えられるもの。』



レナは反論すると、時計を確認した。



『……そろそろ午後の業務が始まるわね。私はお呼びがかかるまで自分の部屋に居るわ。清掃キャンセルの連絡は部屋で受けたって事にするつもりだし。』


グ「そう言うと思って、さっきこの部屋を出た後で居住スペースと通路の防犯カメラをループ映像に変えておいたぜ。」


『あら、案外気が利くのね。』



レナが呟きながらニヤリと笑うと、2人でグレースの部屋を後にした。
グレースとしてメインルームへ向かうピンガの背中を見届けると、レナも自分の部屋へと歩き出した。

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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
- 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時

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