Quite Talk 3

抜け殻。 (太陽の当たる場所) ページ8

+side you+



pipipipipi………

ふと気づくとめざましが鳴ってる。



私は今日休みだからめざましをセットしてない。

てことは、この音の主は………



｢ニカ｣



声をかけて揺すると

｢んーー｣

ニカが唸る。




｢めざまし、鳴ってる｣

｢……んーー｣



昨日友達と飲んで遅くに帰ってきたニカは
まだ眠いみたい。



｢ニーカーー｣

揺するのを大きくすると

｢んーー……｣

ギュッ、て私を止めるように抱き締めてくる。



ヤバ。

キュンとする。




じゃなくて。



｢ニカ、お仕事でしょ｣

声を掛けると、ようやくめざましを止めたニカは

｢え！うそ！！｣

スマホの時間を見てそれが思ったより遅い時間だったのか
勢いよく布団が捲られる。



｢やばいやばいー！｣



言いながらぽんぽんと着てるシャツとかを脱いで投げるから
ニカが捲った布団から冷気が逃げないように慌てて布団を引っ張る私の顔に命中。



｢んッ！｣

｢ごめん！でも時間ないの！｣



反応しちゃうと慌てて寝室を出るニカは
バタバタと支度をしてて。

私は連日の仕事に疲れてて動きたくないからまた布団に包まると
顔にかかったニカのシャツが脱ぎたてでホカホカで。

そのシャツを抱き締めて、クン、と香りを嗅ぐと
ニカの香りがするから落ち着く。



あー………、私、変態だな。

シャツを抱き締めて目を閉じたら
そのままスーーーっと眠りについた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


+side 2+



寝坊したーー！

慌てて準備したら急いだ分早く終わるし
Aがお休みだから洗濯とかはAがしてくれるはずだから余裕が出来た。


Aに『行ってきます』が言えるなー。

寝室に行くとそーっとドアを開けて中を覗いたら
ベッドがこんもりしてて動かないからAはまた寝てるね。

じゃあそのまま行こう、と思ってドアを閉めかけて。



あ、そーいやさっきのシャツ。

洗濯カゴに入れよ。



思い出してベッドに近づくとシャツが無い。
あれ？と思ってベッド周りを探すけど、やっぱり無くて。

変だなーと思いながらAの周りを見ると顔の近くにシャツが見えて。



よく見るとAがシャツをギュッてして
すやすやと眠ってる。



｢ぶっ………｣



思わず吹き出して慌てて口を抑えた。



可愛い。

可愛い過ぎる。



｢いってきます｣



小声で言うとほっぺにキスをして。



今日は早く帰って
シャツじゃなくて俺をギュッてしてもらおう。

なんて思った。



…END…

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