Quite Talk 3

クリスマスが今年もやって来た (拾ってください。) side you ページ5

「あー、勝った勝った」

「楽しかったー！」



先生からもらったコスプレのトナカイを着てる私と
サンタさんのコスプレをしてる裕太は
家の中だからいいものの、完全に変な2人。

でも何だか楽しくて。

お互いたまにクリスマスの歌を歌いながらゲームをしてた。



キリのいいところでゲームを終えてハイタッチをすると

「そろそろクリスマスしよ」

「うんっ」

裕太がコントローラーを置いて片付けを始めるから
私も続いた。




「あー、楽しかった！連勝だったね」

「明日以降ダメなやつかなー」

「あはは！今日で運使い果たしてるかもねー」



手を繋いでリビングに続く廊下を歩く。
と、ふと裕太が立ち止まって私の後ろに回った裕太は

「よいしょ」

後ろから私にのしかかってくる。



「重っ」

「だってトナカイさんじゃん。運んでよ」

「トナカイさんが運ぶのはソリだよ」

「ソリに乗ってるのサンタさんだもん」

「あー、そか」



裕太は納得したのかと思いきや

「ソリを用意しないトナカイさんには罰としてこのまま運んでもらうー」

「え、ソリはサンタさんが用意しないの？」

「サンタさんはプレゼント用意するのに必死だから」

なんだかんだと理由をつけて、離れるつもりは無いみたい。



まあいいか、裕太が近いのは嬉しいし。



そのままリビングに入ると急に電気が消える。

「えっ！」

驚く私に

「テーブル見て？」

裕太が言うから電気を消したのは裕太だね。



キャンドルが灯るテーブルにはワイングラスとチキンとケーキ。

そういえばさっき裕太トイレに行くって言って
しばらく帰って来なかったね。



「うわぁ……」



素敵な演出に思わず声が漏れる私に裕太は

「メリークリスマス」

耳元で呟いたと同時に耳にひんやりとした感触がして耳たぶに何かがつく。



「イヤーカフ、後で見て？」



裕太が言うや否や前かがみになって重なる唇。



長くて甘い甘いキスの後で

「クリスマス、しよ」

至近距離で優しい笑顔で裕太から言われたら頷く以外に選択肢は無いし
私も裕太とクリスマスしたい。



「ありがとう、裕太。すっごく嬉しい」

「良かった、喜んでくれて」



微笑みあう私たちは紛れもなく幸せで。



私からのプレゼントもイヤーカフって知ったら
裕太、びっくりするかな。




トナカイさんのポケットからプレゼントを取り出して
裕太が嬉しそうに笑うまで、あと10秒。




…END…

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