Quite Talk 3

夢。 1-3 (サイボーグな彼女) side Ki ページ39

久しぶりの休み。

起きるとAが雑炊作ってくれてて
食った後もぼーっとしてるとそのまま眠くなる。



ふと目が覚めたらAは居なくて
部屋が何だか綺麗で洗濯物も綺麗に干してある。

空気の入れ替えなのか窓が開いてて
レースのカーテンと洗濯物がそよそよと吹く風にあわせてヒラヒラ揺れている。



あー、A、色々全部してくれてるなー。
Aも久しぶりの休みなのに。

それを見てたらまた眠くなって。



「宏光」



聞こえた方を見るとAが俺を見て微笑んでて。



え、めちゃ笑顔じゃん。

どした？って聞こうとしたら
ソファに座る俺に股がってきて

「おはよ」

抱きついて首元に顔を埋めてくる。



え、何これ。

こんなA初めてなんだけど。



甘えてくるAに何も言えずにいると

「抱っこ、して」

甘えた声のA。



何？
え、何これ？

サプライズ？どっきり？

え？え？？



「どーした？」

「どうもしないよ。抱っこして欲しいだけ」

「んー？」



抱き締めると

「幸せ……」

ホッとした声のA。



ヤバ。

激カワなんですけど。




抱き締めて、首にキスを落とすとくすぐったそうにするから
ムラッとして。

珍しいAを堪能して
目を閉じて。



次に目を開けたら体勢が変わっててソファに寝てる。



………あれ？



腕が変な方に伸びててAがその中に収まって
すやすや寝てる。

辺りを見渡したら目を閉じる前と同じだ。



てことは、こっちが現実。

Aの頭を撫でても起きないから
これ、たまにある起きなくていいからって相当熟睡してるやつ。



俺の腕の中だから？

可愛い。



家のコトしてて疲れたやつか。



しゃがんでる体勢だからこれはイけるな。

抱きかかえてベッドに運ぶ。



ベッドに下ろして寝顔を眺めてると
ゆっくりAの目が開く。



「わり、起こした？」



声を掛けたらぼんやり俺を見上げてるAが愛しくて。
一緒に昼寝したいって言うから腕枕して寝転ぶ。



「さっきさー、Aの夢見てた」

「え、宏光も？私も宏光の夢見てた」

「お互いがお互いの夢見るとか、なんかいいな」

「そうだね」




緩く話してたら
俺は散々寝てたのにAの体温も心地よくて眠くなってきて。



「俺、また、寝るわー」

「うん。……おやすみ」



おやすみ。

また、夢で会おうな。





起きたら気になってた例の映画、見よーな。



そう思いながら、目を閉じた。





−END−

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