Quite Talk 3

おな(・ω・)すい 10 (太陽の当たる場所) side you ページ28

ニカから甘えてきたあの日。

寝る前に『イチャつきたい』なんてニカから爆弾を投下された私は
ニカは胸元に居たままだったし
結局朝まで悶々としてて。

起きたニカのシャワーについて行って
わざとニカに襲われた。




体も心も満たされたから私的には大満足で
当分こんな日は来ないだろう、と思ってたのに。



なんと、週一でニカが早く帰ってくるようになった。
そしてキッチンでグラスを合わせるけど

「「ん」」

慣れ過ぎて乾杯、すら言わなくなってる。



一緒に夜ご飯を食べて
一緒に飲む。

特に何を話すでもないけど
テレビを見てぼーーっとする。



ある日
ふとテレビがCMになったタイミングで

「やっぱAいいよね」

ニカから話し出す。



「なに急に」

「んー？Aの存在に感謝してんの。友達と飲むのも楽しいけどAとこーしてぼーっと飲む時間、結構好き」



ふーん。
『結構』か。

私は『大好き』だからニカはまだまだだな。



「最近足りないのがAなの。だから、今日はあとの時間こーやって過ごす」

「はーい」



たまに気まぐれに注がれるニカが『私が好き』っていう気持ち。
このご褒美があればしばらく元気だろうな、私。

また元気すぎて水野君にからかわれるだろーな。

なんて思ってたら噂の水野君から
次のTikTokで踊るお題が送られてきた。
彼女と踊る水野君は楽しそうで
いっそコレをこのまま動画で上げればいいのに、って思う。



真剣にスマホを見る私にニカが

「なに見てんの？」

横から覗き込んでくる。



「次のお題」

「ふーん」

「教えてくれる？」

「いーよ」



1回見たニカは2回目には覚えて踊ってくれて3回目には

「はい、やるよ」

私の後ろに回ると手を取って踊って教えてくれる。



こうやってニカとただただ過ごす時間
すごくいい。



踊りを覚えてからまた飲んでると

「てかさ、A。ホントは最近1人でつまんなかった？」

ふとニカが言う。




あれ、私の気持ちバレてる？



でも

「そうでも無いよ、それなりに楽しんでた」

嘘ではない。
北山さんのマネージャーさんとご飯行ったりしたし。



「じゃあ、たまに夜、ぼーっとしてたのも気のせい？」



ニカに言われてドキッとする。
でも、重荷になりたくないから

「それは、お腹すいてたからだよ。あんな時間に食べられないし」

適当に言う。



「ふーん」



なんかニカが意味ありげに頷いたけど
気づかないフリをした。

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