Quite Talk 3

おな(・ω・)すい 8 (太陽の当たる場所) side you ページ26

「A」

クスクス笑っちゃう私をニカが呼ぶ。



「ね、ちょっと話さない？」



さらにニカは言うけど。



「ニカは明日仕事じゃん。いま何時？」

「多分1時とか2時」

「じゃあ明日にしよ。早く寝た方が……」

「やだ」



私の言葉を遮って言うニカは私を抱き締めたまま

「このままだとA、俺の事嫌いになっちゃいそう」

なんてとんでもない事を言い出す。



「なんないけど」

「分からないじゃん、そんなの」

「逆に何でニカに私の気持ちが分かるの？」

「分かるよ。ずっと見てるもん」



ニカは見てる、って言うけど。



「見てないよ、ニカは。私のこと」



つい、言っちゃうと

「ほらね、やっぱりなんか不満なんじゃん」

ニカに言われて。



ニカの誘導に引っかかったことに気づく。



「不満はないよ」

「ふーん。不満『は』ね？」

「もー、何？なんでそんなにつっかかるの？」

「Aが大事だから」



サラッと言うニカは

「Aが大事だし、俺が最近Aと過ごせてなくて寂しいから」

って思いもしない事を言ってくれるから驚く。



「え、ニカ寂しいの？」

「うん。さっきそれに気づいた」

「ふーん」



さっきなんかい。
ニカらしい気づき方に笑うしかない。




仕方ないな。



「ん、じゃあ、はい」



ニカの方に向き直ると腕を広げたら

「ん」

私の胸元に顔を埋めるニカ。



素直で可愛い。



「やば。柔らか」

「変態」

「ふふっ」



楽しそうに笑うニカは

「あーー、いよいよ元気になりそう」

「え、いまから？無理だよ」

「は？なんのこと？勘違いしてない？別にえっちなことしよーとしてないけど」

「ニカが変なこと言うからじゃん」

「変なことって発想になるAの方がおかしいし」

言いながら寝そうなくらいのんびりした声になるし
ニカは胸元で話すからなんか変な気持ちになってくる。



「ってか。腕が痛いとか腰が痛いなんて、言ったことあったっけ」

「あったよ」

「えー。だとしたらきっとAをからかったんだろーね。全然記憶にないもん。ガチだったら覚えてるはずだし」

「え。最低。気にしてたのに」

「そうなの？ごめん」



びっくりするくらい簡単に謝るニカは

「最近、Aが甘えてこないからつまんなかった」

って、普段のニカからは言いそうにないことまで言いだす。



「甘えてキスしたじゃん」

「足りるわけないじゃん。あんな一瞬で」



不満そうに言うニカは本当にジャイアンだ。

おな(・ω・)すい 9 (太陽の当たる場所) side 2→←おな(・ω・)すい 7 (太陽の当たる場所) side you

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す