Quite Talk 3

おな(・ω・)すい 6 (太陽の当たる場所) side you ページ24

ただ、マネージャーさんの存在は有難かった。

同じ気持ちなのが1人じゃない、って思えて。

しかも飲み食いのテンションやテンポも一緒で
本当に一緒に過ごしてて楽しいし気楽だ。



会計も終えて帰る時に

「Aさんは御相手の方に優しいですよね」

ふと言われる。



「そうですか？」

「彼もお友達との時間だけじゃなくて、Aさんとの時間も存在も大切だから、夜に出てると怒るんですよ。大切、って言わないだけで」



意味ありげに、今日初めて微笑むマネージャーさんは
私もドキッとするくらい優しい笑顔。



あ、北山さんはこの顔好きだろうな、なんて思う。



ただ、ニカは私との時間無くても大丈夫だよ。

だって私がくっいても嬉しそうじゃない。
この前の朝、抱きついたら『うわっ！』って言ったよ？

だから晩酌の時間もずらしてる。
ニカが帰ってくる前に飲んで、先に寝るようにした。

早く寝たら寝た分、私も元気だし。



「今日、誘ってくださってありがとうございます！叔父がいる間は明るくして下さった事も、助かりました」

「いえ、全然。私こそ、何となくお声掛けしたのに来てくださって……」



お礼を言い合ってるとマネージャーさんのスマホが鳴る。

「はい」

出る声が今までと変わって緊張感があるから仕事の電話だろうか。



しばらく「はい」と「いいえ」のみを繰り返したマネージャーさんが叔父さんのお店の地名を言うと

「かしこまりました。今から向かいます」

って電話切る。



「え、お仕事ですか？」

「仕事というか。北山がこの近くに居るから送れ、と」

「ええっ！」



それは早く行ってもらわないと！

「じゃあ、また近々ご飯しましょう！今度はお好み焼きで！」

「え！はいっ！」

慌てて帰ろうとして次はお好み焼き、って言ったら
今日イチ声が弾むマネージャーさん。

可愛い。



いいなぁ、マネージャーさん。

今から北山さんに会えるんだもんね。



いや、私もニカに『会える』には会える。

会えるだけで幸せだよ。
半年以上別で過ごしてた『あの時』に比べたら
毎日会えるだけで嬉しいから、贅沢なんて言えないよ。

しかもニカに他に女の子の影なんて全くないし
どの女の子だってニカのこのめんどくさい性格知ったら離れていくだろう。

ニカは仕事→友達や後輩→家族→彼女だ。



仕事や周りを大切にするニカが大好きな私は
いつかニカが『彼女』を思い出した時にそばに居て
ニカを元気にするのが私の役目だと思ってる。

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