Quite Talk 3

クリスマスが今年もやって来る (太陽の当たる場所) 2 ページ3

25日 am4:00



ブーブーブーッ………

スマホからバイブの音がして振動が自分に伝わり慌てて止める。
チラりと隣を見ると規則的な呼吸て寝ているA。



よしっ。

今年は大丈夫。



他の場所に取りに行くとベッドの軋みでAは起きちゃうから
そーっとベッドの下に手を伸ばしてAへのプレゼントを手に取ると
枕元のスマホの横に置く。

その間もAの規則的な寝息が一緒だったからホッとする。



去年は失敗した。

まだAが寝入る前にプレゼントを置いたら
その置いた音で起きちゃって。

慌てて誤魔化そうとしてケンカになる5秒前だった。

しかもプレゼントがハンドクリームだったから
女性のスタイリストさんにどれがいいかを聞いたからAが悲しそうだった顔も気になった。



だから今年は最近肌が乾燥するっていうAに
ちゃんと自分で女性人気のものを調べて仕事の合間に買いに行って
さらに、寝てすぐじゃなくて
Aが起きがちな3時からさらに遅い4時に起きて、Aを起こさずに置く事にした。



プレゼントはさっき渡してるから
これは『サンタさん』として俺から日頃の感謝の気持ちを込めて。



これでダメなら俺にはサンタさんは無理だから
普通に渡す事にしよう。



ただ、今年は無事任務完了。

A、喜んでくれるかな。

去年『もうやらない』って宣言してたから
びっくりしてくれると思うけど。



びっくりするAを想像してニヤニヤしながら布団に潜ると
いまは起きるために枕にスマホを置いてたけど
この後は普通に起きるから定位置にスマホを置こうとしたら

コツン、って手に何かが当たる。



あれ？何で？



体を起こしたらラッピングがある。

声が出そうになって息を呑む。



Aだ。

先に俺が寝てからAが置いた？



もーー。

これじゃ意味無いじゃん。



でも、嬉しくて。



布団に潜ってAに近づいて抱き締めた。



「んーー……」



Aが起きちゃったかも。

でもいいや。



「メリークリスマス、A」



呟くと



「メリークリスマス…ぅ……」



Aは寝ぼけてるのか他に何か言ったけど、聞こえない。



だから

「大好きだよ、A」

調子に乗って、さらに言う。



聞こえてないはずなのに

「私もーー……」

無意識なのか返してくれて抱きついてくるAは
めちゃくちゃ可愛い。

幸せだ。



後で2人で「いつ置いたのー！？」って言いながら
一緒に開けようね。





…END…

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