Quite Talk 3

おな(・ω・)すい 1 (太陽の当たる場所) side 2 ページ19

………あれ。



「………」



仕事を終えて帰ってきてシャワーを浴びて
日付が変わる前にリビングに行くと
Aがぼーーっとしてる。

何も動いてない。



テレビもついてない。

スマホも真っ暗でただ一点を見つめてる。



「A？」



声を掛けたら

「あぁ、おかえり」

力なくAが返す。



「え、どした？」

「んー、今日納品多かったの。寝るね？おやすみー」

「あ……うん」



こっちをあまり見ないで寝室に行くA。



変なの。





次の日。




朝起きると

「おはよー！」

めちゃくちゃ元気なA。




「はよ……」

「今日ご飯いらないんだっけ？」

「あー、うん」

「わかった！！」



納豆ごはんとたまごやきをほおばるAに

「洗い物、やっとくよ」

「わ！助かるっ」

声をかけたらニコッと笑って歯を磨き行って
少しして戻ってくるとコーヒーをいれる俺にギュッって抱きついてきた。



「うわっ」

「ふふっ、行ってきまーす！」



驚く俺にチュッ、ってほっぺにキスして
元気に出かけていく。



昨日、たまたま疲れてただけかな。



それから2日くらいすれ違って久しぶりに会える、って時に
うちに帰ってもAがいない。

あれ？

時計を見ると23時。
カレンダーには夜勤のマークも無いしとっくに帰ってるはず。

二階堂今どこ?

LINEしても既読にならない。
電話しても出ない。

さすがに心配になって
とりあえずAの部屋の方に行ってみようかな、と思って鍵を掴んだ時に
ガチャ、って玄関で音がする。



「どこ行ってたの？こんな遅くに」

「ニカおかえりー。自分のうちで書類整理してた」



玄関まで声を掛けに行くと呑気に返すA。

『自分のうち』って言い方もなんか嫌だ。
ここだってAのうちなのに。



「うちでやればいいじゃん。こんな時間に外に居るのやめなよ」



つい責める口調になって
言ってから『しまった』って思ったけどもう遅い。

絶対、A怒るよ。

敷地内なんだからいいでしょ、とか
私の勝手じゃん、とか。



覚悟したのにAは

「あー、心配かけてごめんね？そうだよね。こっち持って帰ってやれば良かったね。気をつける」

へらっ、て緩く笑うと靴を脱いでシャワーに向かう。



変だ。
いつものAならめちゃくちゃ怒るのに。



「お風呂上がり、飲む？」

「明日忙しいから寝るー。おやすみー」



聞くと振り返って明るく言うA。

いよいよおかしいっ。

おな(・ω・)すい 2 (太陽の当たる場所) side 2→←手のひら 10 (すぐ近くにいる ki) side ki

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す