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手のひら 3 (すぐ近くにいる ki) side you ページ11

フロア内にカタカタ、って自分がパソコンに文字を打つ音が響く。

だるい。
頭が重い。

でもコレが終われば明日は休みだし。



最後の数字を入力して、ため息をつく。

伸びをして時計を見ると21:30。
今日は少し早く終わったな。

パソコンをシャットダウンしてスマホを手にしたら
宏光から30分前に着信があったみたい。



折り返すとすぐに繋がる。



『おつかれー。終わった?』

「うん」

『ん、じゃ待ってる』

「待ってる?」



何を?



『いま、Aの会社の前』

「え!?」

『クルマで来たから。ブランケットもあるし乗ったらすぐ寝れるぞー』

「ええっ!?」

『飲み物だけ買って来いよ。俺のはあるし』



プツッと切れる電話。



来てくれたんだ。
めちゃくちゃ助かるかも。

もう今すぐ寝たい。

ご飯もいらない。



とにかく片付けだけして会社を出ると

「よっ」

助手席のドアにもたれて私を待ってる宏光。



「おつかれ」

「うん」

「ほら、乗った乗った」



ドアを開けてくれる宏光の車に乗ると車はほんのり暖かい。
ダッシュボードの上におにぎりがあって驚いてると

「もし良かったら食って。鮭とか初めて焼いたー」

運転席に乗り込みながら宏光が言う。



「え、宏光が作ったの?」

「ん。魚焼くとあんなに煙出るんだな。びっくりした」



ニコニコする宏光はハザードを消して

「食ったら寝てな?着いたら起こすから」

ポン、と私の頭の上に手を乗せてクシャッて撫でると車を走らせた。



あ、宏光の手。

気持ちいい。



「ありがと」

「ん」



優しい顔で笑う宏光はいつもより運転が優しくて。

BGMもなんだか落ち着いた音楽が流れてて。

すぐ寝たかったけど
せっかく作ってくれたおにぎりを一口かじるとホッとする味で。


「美味しい」

「そか。良かったー」



それ以上何も言わないで宏光が運転してるから
黙々と食べてお腹いっぱいになったらすぐ眠くなって。



信号待ちなのかな。
車が止まってて、ふと、宏光の手が顔に触れた。

宏光の温かい手の温度が頬に伝わる。
気持ちいい。



自分から宏光の手に頬を寄せてスリスリしたら

「……ふふっ」

宏光が笑ってる。



宏光が近づく気配。
唇に温かい感触と、チュッ、てリップ音。

あ、キスか。
気持ちまで温かくなってそのまま意識が遠のいて。



次に気づいたのは「着いたぞー」っていう宏光の声。



目を開けたら、そこは見慣れた駐車場じゃなくて
温泉宿だった。

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MOE(プロフ) - やっぱりライブですもんね✨やってみたいです✌️ (5月4日 10時) (レス) id: 2aac566798 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - MOEさん» ありがとうございます!オタク全開なので私のストレス発散を紹介してみました。好きなセトリのライブを部屋暗くしてペンラだけつけて見るのは目には良くないけど気分転換になるのでオススメです☆ (5月4日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
MOE(プロフ) - やっぱりいいなぁ。『この想いの結末は』は!!いつもありがとうございます。 (5月3日 23時) (レス) @page47 id: 2aac566798 (このIDを非表示/違反報告)
MOE(プロフ) - 楽しみにさせていただきます! (12月24日 17時) (レス) id: b0f3ec1fc6 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - MOEさん» 気に入っていただけて良かったです!久しぶりに書くってなったらサクッとしたの書きたくなって書きました。連載もボチボチ書きます!(多分) コメントありがとうございました! (12月24日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2023年12月24日 3時

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