Quite Talk 3

クリスマスが今年もやって来る (拾ってください。) T ページ1

「やったあー！クリアー！！」

「やったねー！」

ハイタッチする俺とA。

いつもやってるゲームにオンラインで参加して
すっかりゲームにハマってるAとは隣同士で参加する。



「あーもうこんな時間だね」

時計を見ると日付が変わってる。

「ね。キリもいいしそろそろ寝ようか」

コメントで挨拶を残して
オンラインから離脱するとAもそれに続いた。



「あー！楽しかった」

「ね。しかもAめちゃくちゃ腕上げてない？」

「ふふふっ、練習したんだー」



ニコニコ答えるAが俺がハマってるゲームにすっかりハマってるのが
実はめちゃくちゃ嬉しい。
片付けながら腕を回して

「もう肩と腕バキバキ。でも、今日もまたやりたいなー」

って言うけど。



「今日も？」

「え、裕太はゲームしたくないの？」

「えっとー……」



今日、イブなんだけどな。



でもゲームしたいかしたくないか、って言うと

「したいけど」

「だよね？」

ニコッて笑うAは「明日は何装備しようかなー」って浮かれてる。




嬉しいけどコレでいいのかな……。

少しはクリスマスっぽい事したいけど。



悶々としつつ
次の日仕事から帰ると

「メリークリスマスっ」

Aがトナカイの着ぐるみで出迎えてくれる。



「どうしたの？それ」

「ピアノ教室で使ったの！今日はこの格好でレッスンしたら生徒に大ウケ」




あたたかいんだーって俺の前をちょこちょこ小股で歩くAのトナカイの角型ヘアーバンドが重いのかグラグラしてるし
首輪の鈴のチリンチリン鳴る音が可愛い。



「裕太用にサンタクロースもあるよ？」

「は？」

「先生がくれたの。2人で着たら？って」



マジか。

石井さんは俺たちが外で過ごせないの分かってるから
もしかしたら敢えてプレゼントしてくれたのかもしれない。

後でお礼のメールしよっと。



早速着ると、さすが石井先生。

「ピッタリだね」

「ね！」

俺より嬉しそうに笑うAは

「じゃあサンタさん、ご飯食べてゲームしよっ」

ゲームが待ちきれない子供みたいにウズウスしてるから笑っちゃう。



「よし、トナカイさん。プレゼント配る前にゲームしますか」

「はいっ！」



ふざけ合って笑うけど。

今日は勝ったタイミングで早めに切り上げてシャンパンで乾杯して
実はナイショで買ったプレゼントを渡すんだ。

ポケットにAへのプレゼントをこっそり入れて
Aに続いてゲームの部屋に向かった。




…END…

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