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last wall 31 -side T- ページ9

マキさんから
『Aちゃんの彼氏知ってる?会ってほしいって連絡取れないかな。』
って連絡が来た。



どうしたのか聞くと
『Aちゃんが外人さんに会って。そこから様子がおかしいの。』
ってその人の特徴まで言われて浮かんだのは
Aちゃんの元彼さん。

前に話してくれた特徴とすごく似てる。

『何か嫌なことあった人じゃないかな。元カレとか』

ってマキさんもズバリ言うし俺もそう思うし

『少し会話してからすぐ別れたんだけど、そこからAちゃんあまり元気無くて。でも私も店長に呼ばれてその後すぐ解散したから気になって……』

なんて言うからさすがに気になる。



ニカは飄々としてたけど
あれだけ言ったからさすがにニカはAちゃんに連絡してるはず。

でも気になるからうちに帰って少ししてからAちゃんに中国語会話の練習を兼ねて電話した。



[Aちゃんいま電話大丈夫?]

[うん、大丈夫。どうしたの?]

[マキさんが心配してて]

[あー、そうなんだ。ごめんね、大丈夫だよ]



後でマキちゃんに連絡しとくね、って言うAちゃんは
元彼に会った、って話をしてくれる。

[え、大丈夫なの?]

[うん。もうね、本当にただの思い出]

って言うけどあれだけ嫌な思いしたのに本当?って思ったのと
ニカが連絡したか心配になってたけど。



『Aー、お風呂空いたよー』



電話越しにニカの緩い声。
こんな声、メンバーくらいしか聞いた事ないんじゃない?

しかも呼び捨て。
今までちゃん付けしてたのに。



[はーい]

『あ、ごめん電話中?』

[うん、裕太くん]

『え、タマ?』



少し驚いた声になるニカは急に

『ありがとう、って言っておいて』

さっきとは違う硬い声。



[聞こえたよ]

[はーい。何が『ありがとう』なの?]

[さっきね、ニカの背中押したから]

[背中?]



不思議そうなAちゃんに
俺の中国語が通じてないのかなと思ったから

[さっきニカにね、Aちゃんに会いたかったのに遠慮してたみたいだから『ちゃんと言いな』って言ったの]

言うと少し黙るAちゃんの

[えっ!?]

驚いた声と

『は!?タマ何言ったの!?A、ちゃん、真っ赤じゃん!』

俺が聞いてるのがわかるからか慌ててちゃん付けしてるニカが可愛い。



わーわー言ってる2人の感じを見る限り
もう大丈夫そうだね。

良かった。



ニカとAちゃんが幸せそうで良かったし
そう思える自分で良かったと思う。

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作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

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