検索窓
今日:3 hit、昨日:21 hit、合計:18,791 hit

last wall 44 -side You- ページ22

高嗣が好き。
本当に好き。

だから離れようとしたのに
高嗣は離れさせてくれない。

でも本当は私だって好きだから離れたくない。



結局、高嗣に本当は『離れたくない』って言ったら
好きって気持ちがもう止まらなくなった。



「高嗣」

『ん?』

「無理。好き」

『えぇ?』

「やっぱり好き」

『なに?その『やっぱり』って』

「いいの、好きなのっ」



好き。

ものすごく好き。
離れなきゃなのに、無理。

好き過ぎて、今すぐ会って抱きつきたい。




『あはは、分かった。でももうこれ以上言わないで。会いたくなっちゃう』



ニカは笑いながら言う。

優しい。

自分も同じ気持ちだよ、って
違う言い方で伝えてくれる。

冗談っぽく言ってるけど
『会いたい』が嬉しくてやっぱりものすごく会いたい。



そのために、やらなきゃいけないことが沢山ある。
そう思ったタイミングで

『俺に出来ること、ある?』

口調は優しいけど、どこか緊張感のある声。
高嗣なりに何かしたいって思ってくれてるのが伝わる。



でも、高嗣に出来ることは
今は正直無い。



「じゃあ、次に高嗣のところに行ったら私がびっくりするくらい抱きついて離れなくなるだろうから、今から筋トレといて」

『え?』

「多分、しばらく離れないよ。だいたい1時間とか」

『マジで?その間はトイレも行けない?』

「当たり前じゃん。私が飽きるまでくっつくんだから」

『えー……それは厳しいかも』

「そう思うなら今から鍛えて」

『嘘でしょ?……ふふっ』



クスクス笑うニカの声が心地いい。

あー、やっぱり今すぐ会いたい。



ふざけて笑ってたら緊張が解れてきて。
あれやらなきゃ、これやらなきゃ、が浮かんでくる。

うん、やる事、分かってきた。

まずはこの時間は向こうは昼間だから弁護士さんに相談するのにもいい時間。
このタイミングで向こうの弁護士の知り合いに相談しよう。



「電話くれてありがとう。元気になった」

『ホント?良かったぁ』

「高嗣は?元気?」

『Aが元気なら元気』



また嬉しい事を言う高嗣は

『マジで、絶っ対、離さないからね?……でもゴメン、危ないなら会えないから、会えるために俺に出来ることがあるなら何でもするから言ってよ?』

真剣な声で、ものすごく嬉しい事を言うから
今すぐ会いたくなっちゃう。



高嗣で頭がいっぱいになってたのに
ふと高嗣が言う。



『ミツもね。Aに会って話したいって』



普通に話すからびっくりする。

last wall 45 -side You-→←last wall 43 -side 2-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
271人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2023年9月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。